U2ボノ→曙さんにまさかの直電!会話映像が東京ドームのライブに 奇跡の“ボノつながり” 

北村 泰介 北村 泰介
ドラム・スティックを手に、U2のボノから村田英雄まで音楽談義に花を咲かせた曙太郎さん=都内(2011年撮影)
ドラム・スティックを手に、U2のボノから村田英雄まで音楽談義に花を咲かせた曙太郎さん=都内(2011年撮影)

 世界的ロックバンド「U2」のドキュメンタリー映画「キス・ザ・フューチャー」が現地7日に米国とカナダで独占配信されることが報じられた。U2といえば、フロントマンであり、10日に64歳の誕生日を迎えるボーカルのボノがカリスマ的な存在として知られている。社会活動家としてもノーベル平和賞候補に3度ノミネートされるなど国際社会で影響力の大きい人物だが、大相撲で外国出身初の横綱となった曙太郎さん(享年54)はボノと〝まさかの接点〟があることを明かしていた。4月に亡くなった第64代横綱の〝仰天エピソード〟を紹介する。

 「U2って知ってます?」。2011年にデイリースポーツ紙面で60回連載した企画の取材中、突然、曙さんに問いかけられた。記者が「アイルランド出身で、1980年頃にデビューして世界的に…」と説明を始めると、曙さんは「そのバンドの『ボノさん』という人から、俺に電話がかかってきたんだよな」と言葉を重ねた。「えっ」と驚き、その経緯を尋ねると、曙さんはボノとのやりとりを打ち明けた。

 「俺が横綱になった頃だから、93年かな。普通に部屋にいて、電話が鳴るから出たら、『ヘイ、ボ~ノッ!』呼び掛けてきたのがボノさんだった。最初、いたずら電話だと思った。『なんだコイツ?』って思いましたよ。U2ってよく知らなくて、バンドだったら日本のTUBEとかの方がよっぽど好きなんで、相手がどんなにすごいかも知らず、緊張もせずに普通に英語で話した。実はその時、俺は気づいてなかったんだけど、こっそり映像を撮られていたらしく、U2の東京ドーム公演の中で、俺が電話でボノさんとしゃべってる映像がビジョンに流れていたというんだよな。たまたまの『ボノつながり』で〝共演〟したんですよ」

 確かに、U2は93年12月、ワールドツアー最終公演として東京ドームでライブを開催していた。

 「U2って世界的なバンドだなんだって言うけど、何、言ってんの!俺がドラムやったバンド『FANTA』だって、世界的なバンドですよ!」。曙さんは取材当時、炭酸飲料のCMキャラクターとしてアルフィーの高見沢俊彦、氣志團の綾小路翔、元メガデスのマーティ・フリードマン、歌手・谷村奈南とバンドを結成し、ドラムを担当した。『(プロレスイベント)『ハッスル』でやった0歳児の〝ボノちゃん〟というキャラがCM起用につながった。羞恥心など捨てて、100%打ち込んだことで仕事の幅が広がった」と本人も振り返っていた。

 記者が持参したドラム・スティックを手にした曙さんはご機嫌で、音楽談義に花を咲かせた。「俺が初めて覚えた日本語の歌は井上陽水さんと安全地帯の『夏の終わりのハーモニー』。よくカラオケで歌うのはASKAさんの『はじまりはいつも雨』。TUBEの曲やハワイアンも歌って、締めは演歌。『男の土俵』ですよ」。村田英雄が作詞作曲し、力士の生き様を自ら歌った名曲「男の土俵」を「やぐら太鼓が墨田の川に~」と節を付けてうなってみせた。

 U2とは無縁の音楽嗜好(しこう)だったが、後に〝ボノちゃん〟と名乗った曙さんはボノと不思議な縁で結ばれ、一瞬だけ〝男の星座〟が重なったのだった。

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