食文化の普及・継承を目的に設立された日本コナモン協会は26日、来月7日に迎える「コナモンの日」を記念したプレイベントを大阪市内で開催。コナモンの定番・たこ焼きにかけるソースの変遷、王道のソースマヨの起源について専門家らがトークした。
同協会の公式サイトによれば1935年、大阪たこ焼きの元祖とされる「会津屋」初代の遠藤留吉さんがラヂオ焼きの生地の中にタコを入れた「たこ焼き」を開発。当時はさらさらのウスターソースが全盛だったが、戦後にとろみのある中濃や濃厚ソースが発売され、たこ焼きの定番スタイルの礎となった。
調味料メーカー大手・オタフクソースがたこ焼き専用の「たこ焼ソース」を発売したのは1964年のこと。同社大阪支店の島原由里子支店長は、当時について「たこ焼き専用ソースはなく、お店でソースをかける場合は中濃ソース、とんかつソース、お好みソースをかけていたと聞いております」と解説した。なお、同社のコナモン専用ソースの歴史としては、1952年から「お好み焼用ソース」が、60年から「焼そばソース」が先に発売されている。
島原支店長は同社の「たこ焼ソース」の特徴を①バランスの取れた甘味と酸味、②スパイスが効いている、③たこ焼きにかけた時に垂れ落ちない粘度、④たこ焼きが美味しく見える照りとツヤ、⑤しっかりした濃い色、と紹介した。
マヨネーズがたこ焼きの定番となるのは、もう少し時代が進む。今年創業50周年を迎えたたこ焼き店「甲賀流」は網掛けマヨネーズ発祥の店とされる。同社の田中由弘社長は、創業当時(74年)のコナモンのマヨネーズ事情について「お好み焼き屋さんに置いてあるぐらいの感じ」と回想した。そんな時代に「お好みソースに網かけマヨネーズ。マヨネーズが要らない人は言ってください」というスタイルでたこ焼きを発売。当初は「『マヨネーズをかけるのは邪道や』と言われまして」と悔しい思いをしつつ、徐々に浸透。同店のたこ焼きを“王道のソースマヨ”とうたっているのは「邪道と言われたんが、コンプレックスで」と当時の悔しさが根底にあるという。
1925年に日本初のマヨネーズを誕生させたキユーピーだが、同社大阪支店の猿渡守支店長は「たこ焼きに使ってもらえるようになった歴史はまだまだ浅い」と話した。2004年に絞り口が細口と星型のダブルキャップを採用。新たに取り入れた細口が「関西からものすごい支持を頂戴しました」とヒットし、後に網掛けが再現できる三つ穴タイプも発売。現在、各家庭でもたこ焼きにおけるソースマヨはその地位を不動のものにしている。
同イベントでは「未来のたこ焼き」と題した多様性あふれるたこ焼きの試食会も開催。最も美味しいと感じたものに投票され、その結果は来月7日にYouTubeチャンネル「コナモンちゃんねる」にて発表される。