兵庫の秘境「武田尾駅」ちょっと“恐怖”を感じて絶景満喫 トンネルに挟まれた無人駅 、廃線跡のコースを歩く

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JR武田尾駅を出発する列車
JR武田尾駅を出発する列車

 兵庫県宝塚市にあるJR福知山線「武田尾駅」は知る人ぞ知る秘境駅。トンネルに挟まれた無人駅で、川の流れる音のみが淡々と聞こえ、時折トンネルから「ゴー」と列車の音が鳴り響く。列車が通過する際には恐怖さえ感じてしまいます。

 ここの付近にはかつて武庫川の渓谷沿いに旧福知山線が走っており、国鉄型車両が多く行き来していた時代がありました。1986年に新線が開通するとともに生瀬駅~武田尾駅間が廃線となり、38年たった今でもそのトンネルや鉄橋などの遺構を見ることができます。かつて蒸気機関車も走っていたので煤も一部に残っていて、鉄道遺構を楽しむことができます。2016年には自己責任を原則としたハイキングコースが一般開放され、桜や紅葉シーズンとなると多くの人でにぎわいます。廃線のハイキングコースは4.7キロあり徒歩で約2時間。今回は生瀬駅側から武田尾駅方面に抜けるルートを紹介します。

 生瀬駅駅前に看板があり、176号線の国道沿いを歩きます。「木ノ本」バス停前の信号横断歩道を渡り、すぐ右の小道を入ります。すると廃線跡のスタート地点に着きます。

 2016年に訪れた際はトンネル内や鉄橋の枕木の数もいたるところにありましたが、現在では一部枕木も取り除かれ安全に散歩できるよう整備がされています。トンネルの手前に枕木が積み上げられているところがあり、外された枕木が並んでいます。枕木にはくぎや、かつて線路を止めていたボルトやボルトが残っていました。

 北山第一トンネルが最初のトンネルで、319メートルあります。トンネル内はすべてレンガ造りで、生瀬駅側から2本目の北山第2トンネル413メートルが一番長く、歩いても出口が見えないくらいの長さなので、懐中電灯を照らして歩きましょう。そのまま進み、岩山を横目に見ながら溝滝尾トンネル(149メートル)に入ります。

 トンネルを抜けると第2武庫川橋梁があり、武庫川の絶景を楽しんだら、長尾山第1トンネル(306メートル)を抜け、水管橋を横目に見ながら長尾山第2トンネル(147メートル)へ。トンネル内は枕木ででこぼこしているので足元に注意しながら歩きましょう。長尾山第三トンネル(91メートル)を越えると桜並木があり、花見の時期にはちょうど良いでしょう。そこを通るとゴールです。

 歩きつかれた後には無料で足湯が楽しめる施設や武田尾温泉が立ち並びます。日帰り温泉と足湯ができます。ゆっくりと足湯で疲れを癒しましょう。

 ◆武田尾駅からのアクセス 駅前に看板があり、案内看板を左へしばらく川沿いに歩きます。すると廃線跡の入り口に着きます。

 ※ハイキングする際の注意点、売店や自動販売機はありません。歩きやすい靴で、ごみは各自で持ち帰ってください。JR西日本はハイキングコースであった事故等に関して、一切責任は取れないと記した看板があるのでご自身の身の安全は確保してください。

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