駅員の小さな配慮がSNS上で大きな注目を集めている。
「改札の駅員さんに『連番が0って珍しいので記念に頂けますか?』って聞いたら、駅員さんも『これはレアですね…穴は小さなパンチで開けますね』ってちっちゃな穴の鋏と無効印押してくれた♪」
と自身の体験を紹介したのはフリーランスライター・フォトグラファーのくまのんさん(@CosNonKumasan)。
切符の連番が綺麗に残るようにわざわざ小さな穴の鋏を使い、無効印も押して持ち帰らせてくれたという件の駅員。鉄道ファンの心理を理解したこの小さな配慮に、SNSユーザー達からは
「粋な駅員さんですね
こんな対応してくれるのか😊」
「昔、自分の生年月日だったりゾロ目だったりすると駅員さんに言ってもらってたな✨
Suica主流になってからは切符を買う事が本当にないからな…」
「ステキな駅員さん♪
いい記念になりましたね」
など数々の感激の声が寄せられている。
くまのんさんにお話を聞いた。
ーーこのエピソードのあった駅はどちらですか?
くまのん:JR新宿駅の南改札です。
ーー対応した駅員の印象や配慮へのご感想を。
くまのん:子供の頃から鉄道や旅行が好きなので、切符に無効印押してもらえば持ち帰れることは知っていました。今回もいつもお願いする時のように「記念に持ち帰りたいので、無効印を押してください」とお願いし、駅員さんも慣れた手つきで無効の処理を始めようとしました。その時に私が「連番がゼロなのは珍しかったので」と言ったところ、駅員さんもきっぷを見て驚いた様子で「おっ!本当だ。これは珍しいですね。」「小さな穴にしますね」と言いながら無効処理をしてくれました。
詳しくはわからないのですが、きっぷを無効処理するのは手動の一つ穴の鋏で少し大きな穴を開ける場合と、磁気情報を無効化すると思われる機械を通す2つの手法があるようです。機械を使用した場合も使用済みのきっぷに小さな穴が開くみたいです。すでにこの切符には東京駅の自動改札を通した時に穴が開いていたので、同じ位置に穴が開くよう機械を通す際に切符を入れる向きを配慮してくれました。
多くのお客さんの対応をしている中で、このような配慮をしてくださったことに嬉しく思いました。
ーー投稿の反響へのご感想をお聞かせください。
くまのん:3月17日の時点で9万7400いいね、7644リポストとこんなに反響があったことに素直に驚きました。
引用リポストやリプライでは「切符が懐かしいと」いうものが特に多かったのが印象的でした。私も普段はスマートフォンでモバイルSuicaを利用しており、この日たまたま買った切符でこのような1/10000の偶然が起こりました。
リプライで特に多かったのは「この4桁の数字を四則演算で10にする」遊びをしていたというもの、「4桁の数字の最初と最後の桁が同じ数字のきっぷを『両思いきっぷ』といって、2桁目と3桁目の数字が両思いの確率」というものでした。
私はきっぷ全盛期の子供の頃は北海道の鉄道過疎地で育ったため、地元の列車はワンマン運転の整理券方式(バスのように整理券と運賃箱で精算する方式)で切符を買うことが無かったので、これらの遊び方は知りませんでした。ですが、私のポストがきっかけで当時を思い出して「懐かしい」と多くの思い出のリプを頂きほっこりしました。
また、「利用済みのきっぷを持ち帰ることができることを知らなかった」というリプも多かったです。私は昔から鉄道が好きだったので知っていましたが、一般的には知らない方も多いのだと感じました。使用済みのきっぷは、原則として改札を出る時に回収されるので、全ての場合で持ち帰ることができるわけではありませんが、私のポストで見識を広めて頂いた方がいらした事にも嬉しく思いました。
◇ ◇
JR新宿駅のように多忙な駅でも、利用者に親切な対応を忘れなかった駅員に称賛を送りたい。
なお今回の話題を提供してくれたくまのんさんは現在、同人活動を精力的に展開中。サークル「HBT」の代表を務めるかたわら、同人作家向けに文章の書き方を解説した「スゴク地味!同人誌の校閲くまさん」、コミックマーケットなどの即売会に出展するコスプイヤーや同人グラビアモデルの裏側について週刊誌風に解説した「季刊KUMA!」、私くまのんのコスプレ写真集「Phocolate Pancake」などを製作して、コミックマーケットや文学フリマなどの同人誌即売会に出展しているので、ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。
くまのんさん関連情報
Xアカウント:https://twitter.com/CosNonKumasan
HBTオリジナル同人誌販売サイト:https://gap-hbt-kumanon.square.site