坂口征夫「まだ50、人生を謳歌していきます」万感引退 DDT、父、弟への思い明かす「やるかやられるか」

山本 鋼平 山本 鋼平
戦いを終えてバックステージで穏やかな笑みを浮かべる坂口征夫=DDT24年2・7新宿FACE大会©DDTプロレスリング
戦いを終えてバックステージで穏やかな笑みを浮かべる坂口征夫=DDT24年2・7新宿FACE大会©DDTプロレスリング

 征夫は会場のファンに向け謝辞を述べた。

 征夫「このリングに立てたことを誇りに思います。応援してくれたお客さんには、こんな自分ですけど感謝しています。このリングもどんどん変わってくると思います。もっともっと大きくなって、もっともっとお客さんに夢を与えてくれると思います。だから選手にもお客さんに夢を与えて欲しいし、頑張ってもらいたい。いいですか。オレ以外にもいい選手は腐るほどいるから。まあオレよりいい男は、ちょろっとしかいないけれど。ありがとうございました。これからもDDTをよろしくお願いします」

 そしてレスラー仲間、関係者らとリングで握手や言葉を交わし、記念撮影などを行った。リングを降りる際は、エプロンサイドで10秒以上動きを止め、万感の表情で引き上げた。

 バックステージではHARASHIMAに続き、征夫がコメントを残した。

 HARASHIMA「いつも坂口さんとの試合は楽しみだけど、この日は寂しくて。坂口さんが決めた事だから、指名された分ガッチリ試合しようと思ったけれど、入場ではダメでしたね。坂口さんは強いですよ。どうにか勝てて送り出した形にはなりましたが、最後まで強くて格好良かった。DDTでは一つ上なので、寂しいんですけど『頑張ってくれ、任せた』と言ってもらえたので、まだまだ上を目指して頑張りたい。(最後の蒼魔刀の心境は?)これを打てばカバーして終わってしまうが、打ってこいと言うからには、託された分、がっつりいって勝負しないと。お客さんもいるので勝負だという気持ちと、これで坂口征夫のレスラー人生が終わってしまうという葛藤があった。自分の甘いところですね。(DDTを守ることを託された気持ちは?)某団体ともめた時に坂口さんは何かあったら行けるよう、ゲート裏で控えてくれたこともありましたし、リング以外でも見守ってくれた。その時は何もなかったけれど、本当に心強かった。自分もそういう心構えでいます」

 征夫「ちくしょう。最後勝ちたかったな。悔しいな。勝って有終の美を飾りたかった。オレとHARASHIMAさんがDDTを守る感じだったけれど、気がつけば自分がDDTの門番のような形になっていた。それをHARASHIMAさんに戻します。これからもDDTを守って、若い奴の壁になってほしい。それはHARASHIMAさん、ディーノさんの役割なので僕は見守ります。(やるかやられるかの精神は今後も続くのか?)そうだね。人生ってそんなもんでしょ。どんな仕事でも背を向けたくなることがあって、逃げることも一つだけど、どこかで自分の自由のため、好きなものが目の前にあるなら戦っていかないと。我慢ではないと思う。弱い自分に打ち勝って、はじめて得られるものがあると思う。だからこそ人生を謳歌できるんでしょ。オレはまだ50。死ぬまで謳歌していきますよ。(HARASHIMAにかけた言葉)任せましたよ、と。DDTにはHARASHIMAがいる、という時代があったので、それをもう一度渡した感じですね。リング上では留意されました。まだまだできる、いつ戻ってくるのと。最後にそういう言葉を聞けるのはありがたいですね。(悔いはないですか?)勝って終わらなきゃ。ムカつくな。リングでは戦えなくても何かの形でHARASHIMAさんに勝ちますよ。明日から日常に戻って生きていくけれど、土曜日曜になったときに『試合がないんだ』と実感が来ると思う。(負けた)後悔も含めて楽しみながら今後の人生を歩んでいきたい。まだ死ぬんじゃないんだから。元気な形で、この会社に第三者の形で恩を返したい。(最後にリングを降りる時の思い)何もないよ。『無』でしたね。本当に『無』だった。最後降りた時は『ありがとうございました』だったけれど。そういう時間も良かった。今まで何か考えて何かをしなきゃと思ってリングにいたから。何も考えずにリングにいられたのは良かった。(弟のコメントについては?)あんなこと言ったんだな、オレは。ありがとう、感謝ですね。(父からは?)珍しく朝に電話があった。『きょう最後だろ。無事にリング降りてこいよ』と。引退した相島(勇人)さんからも電話があった。オヤジも覚えてくれていたんだ、とありがたかった。弟からも昨日『悔いなくやり遂げて』と連絡が来た。ありがたかったですね。(最後に)オレがDDTの坂口征夫だ。それだけです」

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