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新型コロナの動向 昨年末からピロラ変異株が世界的に流行傾向に

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コロナの予防接種 写真はイメージです(alexanderuhrin/stock.adobe.com)
コロナの予防接種 写真はイメージです(alexanderuhrin/stock.adobe.com)

 いまさらという感もありますが、新型コロナの最新動向を少しご紹介します。これまでの変遷をたどると、武漢株・アルファ株・デルタ株・オミクロン株(BA.1株)となり、その後はオミクロンから派生した変異株が主流になりました。ステルスオミクロンと言われたBA.2株、BA.5株・XBB株・XBB.1.5株、XBB.1.16株、EG株(エリス)など全てオミクロンの変異種です。

 そして今冬になって新たな変異株「JN.1株」が急増し、第10波の流行が懸念されています。オミクロンは、BA.2が収束したのちBA.5やXBB系に変異していきましたが、BA.2から直接派生した新しいBA.2.86(ピロラ)は、当時流行していたXBB系に比べて格段に変異が多く、大流行が懸念されました。結果的にそれほどではなかったのですが、困ったことにまた昨年末から、ピロラの変異株が世界的に流行しつつあります。もし第10波がくるとすれば、原因は「JN.1株」です。

 症状や重症度は変異株の種類より、その人の免疫力と健康状態で決まります。「喉だけ痛い」とか「咳だけ」などでコロナ陽性の患者さんはたくさんいます。「JN.1」は重症化しやすいウイルスではなさそうですが免疫回避能力に優れ、今後の主流になる可能性が高く、ことさら警戒する必要はないものの、個人個人にあわせた感染防御は必要です。

 ところが行政はといえば、無料でワクチンを打てる特例臨時接種は終了し、4月からは65歳以上の高齢者を対象にした定期接種となります。秋~冬に年1回実施し約7千円の自己負担になります。対象外の人は任意接種なので、ファイザー製で2万円弱になる見込みです。治療薬や入院費も、5類移行後は公費負担が段階的に縮小され、治療薬も最大9千円の自己負担が必要です。入院補助費も減額され、今春頃には通常の医療体制に戻っていきます。

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