岐阜県垂井町の前町議会議員・太田けいすけ(佳祐)氏(37)が6日、災害時の議員の姿勢についてXでコメントした。過去に議員研修で「被災時の議員のあるべき姿」というテーマで、東日本大震災の時に陸前高田市議会の議員だった人物の講演を聴講したことがあり、その講演での言葉を紹介した。
陸前高田市議は「議員は何もするな!」と語ったという。太田氏は「災害時の対応は予め決まっている中で議員が『ウチの地元に物資を優先的に回せ』『◯◯地区の復旧が遅い!急がせろ!』と口を挟むと行政の対応が遅れ、復旧工事の優先順位が不当に曲げられる可能性があるからです。」と理由を解説した。さらに陸前高田市議の「議員にできるのは復旧の邪魔をしない事と、一住民として地域の方々の話を聞く事」という言葉も紹介した。
太田氏は、議員研修冒頭での「何もするな」という言葉は「衝撃的」だったとしつつ「議員は防災のプロではありません。下手をするとネット軍師のようなアイデアで、たとえ短時間でも現場を混乱させる可能性があります。(少なくとも議員の『提案』を無視することはできないからです)。」と議員の言葉や行動の“重み”についても解説した。「確かに政治家が現地で現実に触れることは大切です。ですが『時期は適切か。その職責で本当に現地入りすべきか。現地で何をするのか』は考えて頂きたいです。」と議員と名の付くすべての人にメッセージ。さらに「その政治家が正しいかどうかを評価するのは、他でもない私たちです。政治家は国民の鏡。問われているのは私たちの姿勢かもしれません。」と有権者にもメッセージを送った。
「被災時の陸前高田市議会では、『(対応に職員のリソースが割かれるので)議員が個別に行政に質問や要望を出すのは禁止』『議会と行政の情報共有の場を設け、要望等はその場で伝える』とルール化していたそうです。だから議員さん達は地元の避難所を回って意見を集め、それを会議で共有したそうです。」と陸前高田市を例に災害時の議員の動き方を提示。「研修を通して、行政の負担にならない形で声を伝えることが重要だと学びました。(もちろん、災害時の予算編成や復興関連条例などの実務についても大いに学びました)被災地に想いを馳せるのは皆さん同じでしょう。復興がスムーズ進むよう、それぞれの立場で最大限に支援していきたいですね。」と締めくくった。