鳩山由紀夫元首相が4日夜、X(旧ツイッター)を更新。能登半島地震に関する2日付のX投稿で「(石川県の)志賀原発で火災が起きた」と記した内容が「誤報」であるとの指摘や、長男・鳩山紀一郎氏からの撤回要請があった中、その撤回には応じず、逆に北陸電力の発表に対して「怪しさは消えず」との疑念をつづった。
由紀夫氏は2日午後9時36分の投稿で、能登半島地震について「亡くなられた方のご冥福をお祈りし、寒さの中被災された方々にお見舞いを申し上げます」とした上で、「気になるのは志賀原発で、爆発音がして変圧器の配管が破損して3500ℓの油が漏れて火災が起きた。それでも大きな異常なしと言えるのか。被害を過小に言うのは原発を再稼働させたいからだろう」と記した。
この投稿に対し、ユーザーによるコミュニティノートで「志賀原発で火災が起きていたというのは誤報です」として、「油漏れと変圧器の一部破損によるものを作業員が火災の発生と誤認し、国や関係自治体などに報告したことによるもの」という北陸電力の発表を示された。さらに、次期衆院選東京2区で国民民主党の公認予定者として出馬予定の紀一郎氏が4日午後1時20分の投稿で父の投稿を引用して「こちらのポストにつきまして、父には撤回を求めました」とつづった。
しかし、この日の内に「撤回」されることはなかった。由紀夫氏は4日午後10時1分の投稿で「東奥日報が『林芳正官房長官が志賀原発の変圧器で火災発生、消火済みと述べた』のでこの重大性を書いたところ、北陸電力が、作業員の誤認で調べたら火災はなかったと発表していた」と経緯をおさらいした上で、「火災がないに越したことはないが、作業員が何を火災と間違えたのか。では火もないのに消火済みとは?怪しさは消えず」と指摘。まさに〝火のない所に煙は立たぬ〟理論で、発表内容を疑う姿勢を示した。
この投稿に対して、国民民主党の玉木雄一郎代表がわずか26分後(同日午後10時27分)に素早く反応。玉木氏は「最初に変圧器から油が大量に漏れたのでそれを『焦げ臭い』と作業員が認識し、手動のスプリンクラーを作動させたことを、急ぎ『火災→鎮火』と国に報告し官房長官もその旨発言。しかしその後、北陸電力が詳しく調べたら、油漏れだけで発火の事実はなかったことが確認され、その旨改めて発表したのが一連の経緯です。プレスリリースにも記載されています」と発表内容を示した。だが、そもそも、その発表内容自体に疑問を抱く由紀夫氏の姿勢とはかみ合わない印象を持たせた。
鳩山氏の4日夜の投稿に対してフォロワーからは「何故、素直に誤報を拡散した事を認められない・謝れないのですか?」「どうしちゃったんですか。ご子息がちゃんとフォローしていたのに、とりあえず、玉木代表の返信を読んでいただけるといいと思います」「玉木さんがコミュニティノートしてくれてるのはウケる」といった声が続いた。