国民民主党の前原誠司代表代行(61)が30日、国会内で会見し、同党を離党する意向を示し、新党「教育無償化を実現する会」を結成すると発表した。
会見には国民民主党の嘉田由紀子参院議員(73)、鈴木敦衆院議員(34)、斎藤アレックス衆院議員(38)も同席。4人がこの日、国会内の榛葉(しんば)賀津也幹事長(56)の事務所を訪れ、離党届を提出したことを明らかにした。榛葉氏は受理せず、斎藤氏によると党に内容証明郵便で離党届を送付したという。
無所属で、7月に立憲民主党を除籍となった徳永久志衆院議員(60)との5人で新党立ち上げを表明した前原氏は「今の国民民主党は、トリガー条項の凍結解除というものに全体重を乗せて、極めて支持率の低い岸田政権との協力を模索する。そういう路線にある」と、玉木雄一郎代表(54)の体制を批判。「少ない人数ながらも、新たな道を歩んでいきたいという思いを共有し、今日に至った」と経緯を語った。
教育無償化を旗印にした理由について、前原氏は「教育無償化のワンイシューだとは思っていない。今までの日本の凋落を考えた時に、教育や研究開発にしっかりと予算を取ってこなかった。人の育成にしっかりと対応してこなかった。結果として教育格差を生み、少子化の大きな要因になり、経済成長が極めて低く賃金も上がらない日本をつくってしまった」と説明した。
その上で「教育無償化を実現し、教育予算を少なくとも倍にするということは、日本の今の根本問題を解決する。ボーリングに例えると、センターピンである」と強調した。
前原氏は「日本の窮状を変えていくためには、自民党公明党と一緒に協力する政党ではなく、政策本位で非自民非共産の野党協力、野党結集を進めていき、政権交代の選択肢をつくる。このことが、我々に課された責務ではないかと思っております」と、野党を結集し政権交代の道筋を示していくとした。
9月の国民民主党代表選で玉木氏に敗れ、ノーサイドを強調していた前原氏だが「今の路線については、自分たちとしては看過できないという思いを持った。トリガー条項にほぼ全体重を乗せて〝自公国〟と言われる。私の政治信念とは違う。代表選挙を経て、玉木さんはより前のめりになっている。今の国民民主党は、野党分断の要因となっている」と指摘した。
24日に離党→新党旗揚げと報じられ、X(旧ツイッター)に「誤報です」と投稿。「報道は補正予算に賛成すれば離党するという文脈で、SNSで離党は否定した」と釈明した。同日の衆院本会議で政府の補正予算案に賛成したが「私は個人的に反対という思いだった。決まったことについては賛同するということで、粛々と賛成した」と胸の内を明かした。
国民民主党代表選を通じて結成メンバーと、同じ志を強く感じたという前原氏。「我々衆議院議員は、いつ解散になるかわらかない。志を決めた時点で、政治決断をすることが大事。次の衆議院選挙で政権交代を目指すという思いで取り組ませていただく」と、船出を宣言した。