麻薬使用容疑で内偵調査されていた、俳優のイ・ソンギュンが刑事立件されることが明らかになり、韓国メディアはこれを一斉に報じた。〝麻薬使用疑惑のトップスター俳優〟というニュースが出てから4日後のことだった。
キャリア最盛期に、最悪のスキャンダルに巻き込まれた。業界は、警察がイ・ソンギュンを〝被疑者〟に切り替え明かした容疑内容を見て、活動中断程度ではなく、芸能界追放を心配しなければならない状況になったと見ている。
警察はこれまで、正式な捜査の前段階である内偵を通じて、イ・ソンギュンが捜査対象になるかどうかを確認してきた。その結果、イ・ソンギュンは大麻だけでなく、複数の種類の麻薬を投薬したとみて捜査を拡大。「イ氏の容疑と関連して具体的な手がかりを確保し、彼を容疑者として切り替えた」としている。
警察はイ・ソンギュンの立件に際し、今回の麻薬事件にソウル江南(カンナム)にある風俗店の室長女性Aが関与しており、すでに拘束したと明らかにした。警察関係者は、イ・ソンギュンは2023年初めから、Aの自宅で大麻などを使用していたとの見方だ。
イ・ソンギュンの所属事務所は20日「麻薬使用の疑いがある俳優はイ・ソンギュンで間違いない」とコメントを発表し、併せて事件関係者から脅迫されたため告訴したと主張。その関係者が、まさにAなのだという。イ・ソンギュンはAに脅迫され、3億5000万ウォン(約3500万円)を支払ったと報じられている。
芸能界では「ユ・アインよりも状況が深刻」という声が出ている。それは、イ・ソンギュンは既婚者で子どもが2人いるにもかかわらず、今回の事件に風俗店が関係しているからだ。「イ・ソンギュンは麻薬に加えて風俗店までつながっており、どうにも収拾がつかないほど事態が大きくなってしまった」とささやかれている。
また別の関係者は「ユ・アインは麻薬事件が起きる前から、さまざまなうわさが多くアンチの多いトップスターだったが、イ・ソンギュンはクリーンなイメージしかなかったので、大衆が受ける衝撃がより大きい」と話す。
麻薬と言っても、大麻程度あるいはプロポフォール程度なら、一部の大衆は復帰を受け入れたかもしれない。しかし、もし報道されたように風俗店の従業員と関係があり、さまざまな種類の麻薬を使用したことが事実であれば、再起の道は厳しいというのが、業界関係者の大方の見方だ。
実際、韓国芸能界で大麻を使用して摘発された後、復帰した芸能人は数え切れないほど多い。プロポフォールの場合も同様だ。業界関係者は「イ・ソンギュンの場合、大衆が許容できるラインを越えてしまった面がある」と話す。
1999年にデビューしたイ・ソンギュンは、ドラマ「パスタ」「マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜」、映画「最後まで行く」など多くの作品に出演、その実力が認められたトップスター俳優だ。
2019年には「カンヌ国際映画祭」で金鐘賞を受賞したポン・ジュノ監督作品「パラサイト 半地下の家族」に出演し、世界の映画界にもその顔を広めたばかりだった。
イ・ソンギュンは近日中に警察から出頭命令を受け、取り調べを受けることになる。いまだ本人からのコメントはなく沈黙を守る中、公の場に姿を見せた時、彼が発する第一声はどんな言葉なのだろうか。