口角の下がった微妙な表情が、中国の若者の気持ちを代弁しているとして、ある馬のぬいぐるみが中国のネット上で空前のブームを巻き起こしている。製造工場のオーナー、ジャン・フォチン氏によれば、2025年10月の発売当初は1日400個ほどの売上だったが、SNSでミーム化されるやいなや需要が激増。現在は1日数万個の注文が舞い込んでいるという。
ぬいぐるみは当初、口角を上げたニッコリした表情で作られる予定だったが、縫い子が口の形を上下逆にして縫ってしまった。あきらめてそのまま売り出すと、しばらくしてSNS上に画像が出回るようになり、爆売れにつながった。
フォチン氏は、ぬいぐるみが支持されるのは、過酷な労働環境に身を置く中国の若者たちの心境があるとみている。若者たちは自らを「牛馬(ぎゅうば)」と自虐的に呼ぶことがある。ある購入者は「仕事中の自分の惨めな気持ちを代弁してくれている。この馬と一緒に不満を吐き出し、幸せだけを掴みたい」と語っているという。
中国でこのぬいぐるみは「泣く馬(哭哭马)」と呼ばれている。