韓国映画「殺人の追憶」や「グエムル -漢江の怪物-」などの出演で知られる、大御所俳優のピョン・ヒボンさんが、膵臓(すいぞう)がんにより18日に逝去した。81歳だった。
遺族によると、故人は一度膵臓(すいぞう)は完治したと診断されたが、その後再発し闘病生活を送っていたという。ピョン・ヒボンさんへ最後のあいさつをしようと多くの弔問客が訪れる中、訃報を聞いて1番に駆け付けたのは「パラサイト 半地下の家族」でアカデミー賞を席巻したポン・ジュノ監督と、俳優のソン・ガンホだった。
ピョン・ヒボンさんとポン・ジュノ監督は、映画「ほえる犬は噛まない」をはじめ「殺人の追憶」「グエムル -漢江の怪物-」「Okja/オクジャ」で、俳優と監督として作品をともに作り上げており、故人は〝ポン・ジュノのペルソナ〟と呼ばれていたほど縁が深い。
一方のソン・ガンホは、映画「殺人の追憶」「グエムル -漢江の怪物-」などで故人と共演。「グエムル -漢江の怪物-」では親子役を演じ、観客の涙を誘った。ソン・ガンホがピョン・ヒボンさんの訃報を知ったのは、映画「クモの巣」のインタビュー中だったといい「ヒボン先輩といくつかの作品で共演し、会う機会は少なかったがよく連絡を取っていた」と明かし「闘病中だと聞いてからは、ポン・ジュノ監督から時々近況を伺っていた。多くの作品で名演技を見せてくださり、感銘を受けた先輩だ」と悲しい気持ちを吐露した。
ピョン・ヒボンさんは舞台俳優として活動後、1966年にMBC声優公開採用2期として、芸能界へ進出。1984年に放送されたドラマ「朝鮮王朝500年:ソル・ジュンメ」では「第21回 百想芸術大賞 TV部門」で人気賞を受賞、「グエムル -漢江の怪物-」では「第27回 青龍映画賞」助演男優賞を受賞している。
また2020年には、大衆文化芸術分野で最高権威の政府賞である「大衆文化芸術賞 銀冠文化勲章」を受賞した。