凍結された線虫が4万6000年の時を経て再び命を吹き返した。この線虫はマンモスらと時代を共にしていたとされており、このほどロシア・シベリアの永久凍土から掘り起こされ解凍を経て蘇った。
この線虫は、長い間絶滅種とされていた「パナグロライムス・コリマエンシス」という学名の種。地下40メートルで、極度な環境における無代謝状態「クリプトビオシス」にあったそうで、一緒に回収された植物の放射性炭素の年代測定をしたところ、約4万6000年前の生物であることが判明した。
ドイツのドレスデンにあるマックス・プランク分子細胞生物学遺伝学研究所のテイムラス・カーツカリア教授はこう話す。「この小さな線虫はギネス世界記録を達成する可能性があります。誰もが予想しうる遥か彼方を行く長期間、仮死状態を続けていたわけですから」「4万6000年後に蘇生したことに私は仰天しました。『眠れる森の美女』さながらですが、それよりもずっと長い期間に渡ったわけです」