人間が空を飛べる!? そんな未来を想像してしまう研究だ。東京大学先端科学技術研究センター・稲見昌彦教授が開発した「ロボットアーム」は、まったく新しい表現を生み出し、これまで不可能と考えられていたことを打ち破り、扉を開くかもしれない。
稲見教授は語る。「これで身体を使った新しいパフォーマンスなどが生まれたりとか、そういう芸術が生まれたりとか、そういうクリエイティビティをどんどん刺激して、それを社会の中でより加速していくそういう世の中にしたいなという風に思っています」
教授らのチームは、最大6本の腕を収めることができる装着式デバイスを開発した。装着した人は、あたかもクモかタコのような動きを見せる。現時点では、装着した人がアームを操作することはできず、別に操縦者がいてリモコン操作することになる。
まるで「スパイダーマン」に出てくる悪役のような感じにも見えるが、稲見教授は「日本で人形文楽という、3人で人形を操作する。伝統芸能があるんですけれども、それ(アーム)を遠隔から操作できるというところがちょっと似ている」と説明した。
このアームでの応用範囲は広い。例えば災害の捜索救助。アームは交換可能で、ソケットを使って付け外しができる。現在はほんの数種類しかないが、教授によればこの機能には様々な可能性があるという。
「将来背中から羽を生やしたりとかですね。ドローンをつけたりとか、様々なアタッチメントを付け替えながら、いろんな能力を獲得していく。そのようなこともできるんじゃないかなと思っています」