「地球外生命体」は存在する?しない?懐疑論ある中「100%の確率で存在する」「悪魔の証明だ」識者が主張

深月 ユリア 深月 ユリア
写真はイメージです(danielegay/stock.adobe.com)
写真はイメージです(danielegay/stock.adobe.com)

 「宇宙人」と称されてきた「地球外生命体」は存在するという説が根強くある。ジャーナリストの深月ユリア氏が海外の媒体で報じられた説を引用し、専門家に見解を聞いた。

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 英タブロイド紙「デイリー・メール」によると、米スタンフォード大学医学部のゲイリー・ノーラン教授が今年5月、ニューヨークで開催された起業家や投資家が集まるイベントに登壇した際に「地球外生命体は100%の確率で存在する」と発言したことが物議を醸している。同氏の専門は病理学で宇宙物理学ではないので、インターネット上では「怪しい」「単に趣味でUFOについて調べている愛好家に過ぎない」という懐疑的な指摘も多い。

 同氏はこれまで「UFO(未確認飛行物体)研究家」としてメディアやイベントに出演し、UFOやUAP(未確認飛行現象)について衝撃的な発言をしてきた。

 同氏が出演したYouTube番組によると、同氏がUFOに関心を抱いたのは「幼少期に奇妙な物体(UFO)と遭遇した」ことがきっかけだというが、「政府は60-70年間に国民に(UFOの正体を隠蔽し)嘘をついてきた」「なぜなら、実は米政府は自国の領空を支配していなかった(地球外生命体に支配されている)ことを認めなくないから」だという。

 同氏はイベントで「1977年に宇宙から謎の電波信号が発信された」「高度な知的生命体は自らが物理的に実際に地球に来る危険は冒さず、ドローンや高度AIなど、何かしら仲介となるものを地球に送り込み、人類を観察したり、文化に影響を及ぼしたりしている」。さらに地球外生命体が存在する可能性は「100%」であり、その理由は「政府の動向をみればわかる」と説明し、 米国が未確認航空現象を調査するために、22年7月に全領域異常解決局(AARO)を設立したことに触れた。

 UFOやUAPに詳しい作家の山口敏太郎氏も、地球外生命体の存在を信じている。

 「スタンフォード大学(教授)の発言であることから、これがアメリカ人の一般的な考え方なのだろう。政府は宇宙人の存在を知っているが、大衆には少しずつ宇宙人の存在について知識を浸透させていこうという考えがあるのではないだろうか。複数の『宇宙人によりアダプション(一時的にUFOに乗せられた)された』と〝自称〟している人たちが、オカルト系の複数メディアのインタビューに対して『宇宙人は政府中央に食い込んでいる』『宇宙人の基地が南極、月面や火星にある』『宇宙人とのハイブリッド・ベイビーが誕生している』という説を主張している」(山口氏)。

 しかし、現在の物理学では地球外生命体やUFO、UAPの存在は証明されていない。

 神奈川県内にある大学の名誉教授で、物理学が専門の70代男性は「専門外のことになるため、匿名にすること」を条件とした上で、「地球外生命体が存在していても、広い宇宙の中であえて地球を選んで訪れる可能性はどれくらいだろうか。遙かかなたの遠い星から到来する旅はどれくらいの時間(遠い場合は何光年も)がかかるのだろうか。結局、存在することも存在しないことも証明できない。面白い話だが、『悪魔の証明(※存在しないことが証明できないなら、存在する…という結論に導く論法)』になる」と指摘した。

 夜空を眺めて「広い宇宙で他の星にも生命体がいて、地球人は孤独ではない」と考えることはロマンがあるが、我々が生きている間に新たな事実が公表される日は果たして訪れるのだろうか。

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