Chat GPTやBardなどの生成AIは現在、社会に広く普及し、その使用目的は多岐にわたっている。生成AIの普及は人生の大きな分岐点に立っている就活生にどのような影響を与えていくのか。
キャリアや就職・転職に特化した匿名相談サービス「JobQ」を開発・運営する株式会社ライボの調査機関「Job総研」はこのほど、全国の現役大学生322人(2024~27年卒)に対して「2023年 生成AIの就活実態調査」をインターネットで実施した。
まず、回答者全体にAIに代替されると思う職種を聞くと、「事務系」が60.9%で最多。次いで「ライター系」が43.2%、「技術職(開発・エンジニア関連)」が27.6%、「管理系」が27.6%、「コンサルタント系」が20.5%で続いた。これら”AIに奪われそうな仕事”が就活での職種選定にどう影響するか聞くと、14.9%が「希望から外す」、46.9%が「多分希望から外す」で、合算した61.8%が“希望から外す派”となった。
次に、生成AIが就活に役立つと思うか聞くと、「とても役立つと思う」が27.2%、「役立つと思う」が33.9%、「どちらかといえば役立つと思う」が30.3%で、合算した91.4%が“役立つ派”に。実際に就活で使用するか聞くと、15.8%が「使用する」、25.8%が「多分使用する」で、合算した41.6%が“使用する派”となった。
この“使用する派”134人に具体的な使用目的を聞くと、「エントリーシート」が59.7%で最多。次いで「自己PR文」が50.7%、「情報収集」が46.3%、「業界研究」が43.3%、「面接対策」が26.1%という結果になった。
就活での生成AIの使用については「試しに就活で必要な資料作成に使ってみたけど、クオリティーが高いもので驚いた」「就活にAIを用いるのは企業側も同様だと思う」「AIチャットを上手に使いこなすための知見を高めることで他者との差が出る時代」など肯定的な意見がある一方で、「AIに就活で使う資料を作らせても、企業側にばれた時のリスクが大きい」「エントリーシートや自己PRなどをAIに任せるのは危険」「生成AIを使用する就活は当たり前になっていきそうだけど企業の対応も注目したい」とする声もあがった。
同調査では、今後AIとの共存が当たり前の世界になっていくことを踏まえ、「時代の転換機ともいえるタイミングで就活をする学生にとって、AIを就活で使用することの是非が問われ、採用する企業側でも対応の変化が問われていくことが推測できる」としている。