米グーグル(Google)はこのほど、超高速の量子コンピューター向け半導体(チップ)「Willow(ウィロー)」を発表した。現在最速のスーパーコンピューターで「10の25乗」年かかる計算をたった5分で処理したという。10の25乗年は、宇宙誕生から現在までの年月より長い。
この結果について、グーグルは量子コンピューターが「多数の平行宇宙で計算を行っている」との仮説に信ぴょう性を与えるものだと述べた。同社は9日のブログ投稿で、理想的な条件下であっても通常のコンピューターでウィローと同じ結果を得るには10億年かかると指摘している。
ウィローは、量子コンピューターの情報単位「量子ビット」を105個搭載。米カリフォルニア州内の新施設で製造されている。量子ビットは高速な反面エラーを起こしやすく、信頼性の確保や実用化が難しいとされているが、グーグルはエラー率を低下させ、信頼性を高める方法を発見したと述べた。
実用的な量子コンピューターの構築への大きな一歩となる可能性があり、同社は将来、AIや医療分野で革新をもたらすことを期待している。