BTSのSUGA(シュガ)が初のワールドソロツアーを開催する中、6月2日、3日、4日の日本公演を控えて来日。「オールナイトニッポンGOLD」でスペシャルパーソナリティーを務め、その収録の様子が公開された。
アシスタントには、韓国大衆文化ジャーナリストの肩書をはじめ、韓国カルチャーやK-POP評論家としても活躍、また韓国アーティストや俳優のイベントMCを務め、韓流ファンの間では知らない人はいないであろう古家正亨が登場した。BTSとはデビュー当時からMCを務めるなど、長い付き合いだ。そんな2人の今回の再会は、2019年以来だと言う。まず古家から、日本で初めてラジオパーソナリティーを務めることについて心境を尋ねられたSUGAは「日本語ができないのに、韓国語でラジオをやっていいのかなと思いました(笑)。でも僕自身ラジオが好きなので、とてもうれしいです」と打ち明けた。
同番組には、あいみょんがマンスリーパーソナリティーとして出演しており、今韓国で彼女の楽曲が人気であると同時に、SUGAも注目しているアーティストだと伝えられた。彼女を知ったきっかけはYouTubeで偶然流れて来た「愛を伝えたいだとか」を見たことからだと言い「その曲がとても良くて、ライブ映像も検索してみました」。
そのほかに、日本のカルチャーで気になるものを聞かれると「日本はとにかく食事がおいしいです。意図したわけではありませんが、すでにおすし屋さんは2日連続で予約済みです(笑)」と古家を驚かせた。
また日本の漫画が大好きだと言い「子どもの頃は、『SLAM DUNK(スラムダンク)』と『GTO』をよく読んでました。『SLAM DUNK』については100回以上読んでると思います」と言及。もちろん、映画「THE FIRST SLAM DUNK」も鑑賞済みだ。「劇場で改めて観たら、新鮮な気持ちがよみがえってきました」と振り返ると古家から好きなセリフを尋ねられる。「安西先生のセリフが有名ですが、僕は三井寿の“オレを誰だと思っているんだ? バカヤロウ! オレは最後まで諦めない男、三井寿だ!”が好きです」と明かした。
そして、4月にAgust D名義で発売した「D-DAY」の話題へ。3部作となったきっかけについて聞かれると「Agust Dとして楽曲を発売すると決めた時から、3部作にすることは決めてました。2016年に発表した『Agust D』では怒りや攻撃的な歌詞が多く、あれから時を経て僕も成長して、新しい感情や考えができてきて、それを最後に『D-DAY』というタイトルで締めたかったんです。そして、この作品はコンサートのためのアルバムでもあります」と説明。「韓国のアーティストは通常、音楽番組に出てプロモーション活動をしますが、海外のアーティストたちは、アルバムを引っ提げたコンサートがある意味プロモーションですよね。だから僕もその方式を選びました。とても満足しています」と笑顔を見せた。
収録曲の中では、メンバーのJ-HOPEとコラボレーションをしている。「いろいろなラッパーの方たちとコラボしたいと思ってました。でも初めましてでやるより、まずは信頼できる人とやりたくて。J-HOPEは予想通り、本当に素晴らしくやりきってくれました。もちろん心配はしていませんでしたけど。“難しい”と言いながらも、完璧でした」とうれしそうだ。
また同作では、故・坂本龍一さんがフィーチャリングで参加していることにも触れ「小さなころから、坂本先生の曲が大好きで、インスピレーションをもらっていました」と言う。「『D-DAY』制作中、僕はストレス過多やスランプで体調不良になってしまったことがあったんですけど、そんな時に坂本先生とお会いする機会がありました。彼はとてもすてきな大人で、とてもすてきな先輩でした。初めて会ったのに、以前から知り合いのような親しみのある方で…結果、『Snooze』はとても癒やされる曲作りになりました」と静かに語った。
そして今回のメインイベント、ソロツアーについて古家は「日本のARMY(アーミー:ファン名称)が、ついにSUGAのライブが観られるということで、とても期待を高めています」と伝え、ワールドツアーについての思いを聞かれる。「とにかくコンサートができるようになったことが、ありがたいです。だから日本公演も本当に楽しみにしていました。本音を言えば、本当は7人で来たかったですね」と残念そうだ。
「本当に久しぶりの日本コンサートなので、会場の雰囲気はどんな風に変化してるのかがわからないですね。コロナ禍にリリースした『DYNAMITE』や『Butter』が、日本でもたくさんの方に愛してもらったとは伺ったんですけど。実際にステージに立って、どんな反応が来るのか想像ができません。日本の音楽ファンの方たちは、じっと耳をかたむけて音楽をきちんと聴いてくれる印象がありますが、今回の僕のソロコンサートは、飛んで跳ねて一緒に歌って楽しんでもらえるような内容になっています。だから今は、とても楽しみでしかたがないです」
初のソロツアーを通して新たな発見があったかと聞かれ「ボーカルに目覚めました(笑)。帯同してくれているスタッフから“本当に歌がうまくなったね”と褒めてもらえたし、自分の中のジャンルが広がって良かったです。演出も、僕自身が不思議だなと思うくらい見たことのないものが見られるし、制作スタッフさんも自信を持っているし、僕自身もうまくやる自身があります。だから、一人でも多くの方に公演を見てもらいたいです」と意気込んだ。
そして、スペシャルゲストとして日本が誇る音楽プロデューサー小室哲哉が登場。SUGAが日本語で「初めまして、お会いできて光栄です」と挨拶し、2人による音楽対談がスタートした。
SUGAが「すごく伝説的プロデューサーさんですよね。自分もプロデューサーであり作曲家でもあり制作をする立場として制作をする立場として聞きたいことがたくさんありました」と初対面で、率直な思いを口にした。
小室は「BTSもSUGAくんも僕にしたらミラクルです。なぜなら35年くらい前、僕はロスに住んで海外進出を狙っていた。25年ほど経って、BTSが米国を中心にワールドワイド、ポピュュラーになった。ビックリというか、すごいなと思う。コンセプト、SNS、ストリーミングの使い方、ヒップホップのうまい使い方とかが全部フィットしたと思う」と活躍をたたえ、その要因を分析した。
SUGAは「すごくよく見てくださっていて不思議な気持ちです。米国のマーケットを狙ってやったわけではないですが。運良く全てがうまくいけたと思うので。自分もたまに不思議に思います」と答えた。
古家はアジア人ミュージシャンにとって米国での成功には厚い壁があった事実を指摘。小室は同意し「壁ですね。その大変な壁を破ってくれてうれしい」とSUGAに語りかけ、その音楽に「民俗楽器を入れたりするのもすごく面白いと思ったし、これからももっとチャレンジして欲しい」と感想を寄せた。古家から坂本龍一さんのようなコラボの可能性について問われると「僕も教授みたいにピアノを弾けたらうれしいですね」と笑顔で同意した。
SUGAは「僕個人的には未来にはバンド音楽もやりたいです。ラップもしますが、小さい頃からジャンルを分けて音楽をやったことがないです。それでいろんな音楽をやってきましたが、個人的には日本のセッションの方々の演奏がすごいと思います。もしバンドアレンジをすることになったら日本で作業をやってみたかった。1~2カ月ほど住みながら。日本はバンド音楽が強いですよね。(今回の来日で)いろんなライブも観たかったのですが、スケジュールがタイトなのですぐ帰らないといけないのが残念です。もし、またアルバムを作業することになったら、日本に来て先生(小室さん)と一緒に作業したいと思います」と、改めて小室への敬意を口にした。
「BTS SUGA のオールナイトニッポン GOLD」
2023年6月9日(金)22時~24時
出演:SUGA /ゲスト 小室哲哉 /アシスタント 古家正亨
番組ハッシュタグ:#SUGAANNG