れいわ新選組共同代表の大石晃子衆院議員(45)が12日、衆院本会議で行われた塚田一郎衆院財務金融委員長(59)の解任決議案裁決時に、米タイム誌電子版が掲載した岸田文雄首相(65)の表紙に「NO!」とコラージュした画像とともに「大量の売国棄民法案を廃案にするためにもっと本気で闘う野党の復活を。」と書かれたプラカードを壇上で掲げ、議場が騒然となった。
防衛財源確保法の審議を巡り立憲民主党、共産党が塚田氏の解任決議案を共同提案。与党と日本維新の会、国民民主党などの反対多数で否決された。賛成票を投じた大石氏は本会議後、れいわ新選組の山本太郎代表(49)とともに会見を開き、プラカードを掲げた真意を説明した。
大石氏は「大量の売国棄民法案を廃案にするために、もっと本気で『闘う野党』の復活をいうことを求めています。誤った国策の中で苦しんでいる国民を切り捨てて、このような法案をガンガン通そうとしているということに私たち野党に何ができるか、ということへの私からの一つの投げかけ」と話した。
れいわ新選組に、共同提案への誘いがあったとした大石氏は「立憲民主党が今回、少しでも送らせるために解任決議案を出したことには賛成を入れています。しかし、1週間ぐらいしか遅らせられない。6月半ばまで国会が続きますので、止められないですよねと。これは肉弾戦で止めるしかないんじゃないですかということを立憲民主党に提案しました。ゲリラ戦法をやるという第一歩としての解任決議案じゃなんですかと聞いた」と明かした。
立憲民主党からは「そうではない」と回答があり、牛歩などの肉弾戦に否定的だった。大石氏は「体を張って止めるということには否定的だったので、提出自体には乗らなかった。もっと体を張って戦う野党は必要じゃないですかということ。大量の売国棄民法案は許せない」と強調した。
タイム誌の表紙を、プラカードに載せたことについて「日本は平和主義ではなく、軍拡に向かっているんだよというような見出しで話題になった。その見出しも外務省は異議を申し出て、差し替えられた。そういったことにも『NO!』という意味でも紙を掲げた」とした。
大石氏は「この国会やばいですよ、ということを気づいてくださいという一つのピエロみたいな手法ですよね。国会の外の、メディアの方に珍事が起きたなとか目を引いてもらって、凶悪な法案が通ろうとしているってことを知ってもらうための手法」と語気を強めた。
山本氏は「私たちがやっていることはパフォーマンスではない。私たちがいなかったらバレなかったことが世の中にバレるってことなんです。戦っているフリだけじゃバレてしまうよって。本気で戦わない野党にも責任があると。だからこそみんな一緒に本気でやりませんかって、この解任決議案の中で大石共同代表が表現されたんだろう」と代弁した。