動物との触れ合いで知られ、〝ムツゴロウ〟の愛称で親しまれた作家の畑正憲(はた・まさのり)さんが5日に死去したことが分かった。87歳だった。
畑さんは1935年4月17日、福岡市で誕生。1954年に東京大学理学部生物学科に入学し、生物系大学院に進んだ。1960年に学習研究社映画局入社。記録映画製作に従事するも1968年に退社、本格的な著作活動に入る。「われら動物みな兄弟」で第16回エッセイストクラブ賞を受賞した。
1972年に北海道厚岸郡の無人島に熊や馬を連れて移住。翌年、浜中町に移って「動物王国」を建国。その後、動物たちとの心温まる交流を書き続けた。
1978年に北海道中標津町に自宅とムツ牧場設立。1980年にフジテレビで「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」が開始され21年間、世界中を歩いた。2011年に日本動物学会教育賞を受賞した。
映画監督作品に「子猫物語」(1986年)、著書に「畑正憲作品集」「ムツゴロウの青春記」「ムツゴロウの動物交際術」など多数。今年3月21日にエッセイ集「ムツゴロウの東京物語」を発売した。
ライオンに指をかみちぎられる、アナコンダに体を絞められる、たぐいまれな雀豪ぶりなど、多額の借金の完済など、さまざまな逸話でも知られる。