未唯mie「ミイの日」に集大成ベスト盤、新曲に「音魂」 故郷で中山千夏とトーク「2人の共通点は?」

北村 泰介 北村 泰介
「ミイの日(3月1日)」にソロ活動の集大成となるベスト盤をリリースする未唯mie
「ミイの日(3月1日)」にソロ活動の集大成となるベスト盤をリリースする未唯mie

 1970年代後半に大ブームを巻き起こした女性デュオ「ピンク・レディー」のミイが81年の解散後にMIEとしてソロデビューして42年になる。現在も独自の音楽活動を続ける未唯mieとして、3月1日の「ミイの日」にはソロ活動を集大成したベストアルバム『MIE to 未唯mie 1981-2023 ALL TIME BEST』をリリースする。その未唯mieがこのほど、故郷の静岡県で開催されたイベントで盟友の女性芸人・オオタスセリとコントで共演し、マルチタレントとして活躍した作家の中山千夏とトークを繰り広げた。(文中敬称略)

 公演は今年1月28日に「新生 市民劇場 ちょっと劇場へ!Vol.3 スセリ☆台本劇場in伊東2」と題して伊東市内で開催された。未唯mieはオオタと共演したコントで不条理な世界を淡々とクールに〝静かな狂気〟も感じさせながら演じ、女優としての力量を示した。

 開演前、場内にはヒット曲「NEVER」をはじめ、未唯mieのソロ時代の代表曲が流れていた。トーク冒頭、その選曲が今回のベスト盤からであることに触れ、未唯mieが「ソロデビューが1981年なので今年で42年になります。ピンク・レディーだと76年デビューですから47年です」と補足すると、客席から「もう、そんなになるのね!」と驚きの声も上がった。

 中山とはこの日が初対面。中山が「私は歌番組の司会をやっていたこともあったんですけど、それを辞めてからピンク・レディーが出てこられたので、お会いする機会がなかった。もちろん、ご活躍はテレビで見ていました」と切り出すと、未唯mieは「私も千夏さんを見ていました」と中山のデビュー曲『あなたの心に』をアドリブ的に歌い、「大好きです」とエールを送った。

 中山は2人の共通点として「作曲者」を挙げた。「ピンク・レディーのデビュー曲(ペッパー警部)と、私の最初のレコードで唯一ヒットした曲(あなたの心に)の作曲者が同じなんです」と指摘すると、未唯mieは「都倉俊一先生です」と応えた。作詞家・阿久悠とのコンビで78年のレコード大賞受賞曲「UFO」など、ピンク・レディーのヒット曲を連発した都倉にとって、中山の『あなたの心に』は作曲家としてのデビュー作という縁があった。

 中山は「私の(レコーディング)時、彼は大学生で、『都倉君』と呼んでいて、お互いにデビューだった。それが売れて本職(の作曲家)になられた。私はその後も歌をやったけど、ヒット曲はそれだけで、(一方の)彼は大作曲家になっていきました」と説明し、オオタが「今や都倉さんは文化庁長官ですからね。(こうした民間の公演に)予算持ってきてください!」と笑いを誘った。

 また、未唯mieは「私たちにはもう一つ共通点があるんです。それはゲーム。私はドラクエとファィナルファンタジーなどをやっています」とネタを振ると、中山は「PSO2ニュージェネシス」を好きなゲームに挙げた。

 2人は互いの原点についても語った。中山が舞台の名子役だった時代のエピソードを披露すると、未唯mieは「私の場合、両親とも厳しかったので、決めた通りに(家に)帰ってくる日々でした。その頃に親元から出たいという(蓄積)したエネルギーが(歌手)デビューにつながったと思います。デビューが決まって上京する時、父も私を嫁に出す感じだったと思います」と回顧した。

 そうして18歳でデビューした未唯mieは今も歌い続けている。CD2枚組のベスト盤は「ミイ」にちなんで31曲を収録。その中に入った新曲の「Hallelujah《ハレルヤ》」が2月に配信リリースされた。カナダ出身の詩人でシンガー・ソングライターであるレナード・コーエンのカバー曲だ。コロナ禍やウクライナ情勢といった時代背景を意識し、「人の心に寄り添う曲を歌いたい」という思いから自ら選曲したという。未唯mieは「メロディーや言葉の響き、音魂で感じて味わっていただけたら幸せです」とコメントを同作に寄せている。

 コロナ禍でできた時間を活用し、ゲームを楽しむだけでなく、日本舞踊に打ち込んで名取となり、さらに将来的な演奏の機会を目指してギターの練習にも取り組む。3月9日の誕生日で65歳。あくなき挑戦は続く。

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