つげ義春の名作「ゲンセンカン主人」が超絶フィギュアに登場 長男の正助氏「すごいですね」

山本 鋼平 山本 鋼平
オデさんが出品したつげ義春「ゲンセンカン主人」天狗面バージョンと素顔バージョン
オデさんが出品したつげ義春「ゲンセンカン主人」天狗面バージョンと素顔バージョン

 名作漫画「ゲンセンカン主人」(作・つげ義春)のフィギュアが12日、千葉・幕張メッセで開催されたフィギュアの展示会「ワンダーフェスティバル(ワンフェス)2023[冬]」に登場した。

 旅行先で主人公がゲンセンカン旅館の主人にそっくりだ、と指摘されたことから夢、不安、恐怖、性など曖昧で不気味なモチーフが展開される物語。製作者のオデさんにとっては、「長八の宿」「李さん一家」「ねじ式」「紅い花」に続くつげ義春作品から第5弾となる新作。善良そうで不穏な表情も再現し「大好きな作品なので、楽しくて仕方なかった。できるだけ忠実に再現しようと一生懸命だった」と振り返った。

 主人公が天狗の面をかぶった姿、非装着で左手に面を持つ姿がある。天狗の面をかぶった主人公の顔、非装着の顔、天狗の面のみが別々のパーツに別れており、台座はリバーシブルで使用され、1製品で2種類ともに作成が可能。過去作を含め、この日持ち込んだ全品は昼過ぎには完売した。

 この日はつげ義春氏の長男で、同氏の全集刊行等に尽力する正助氏が来場。「ゲンセンカン主人」のフィギュアを「やはりすごいですね」と興味深く見つめた。つげ義春氏もこれまでのフィギュア作品に関心を寄せており、正助氏は「父は2次元である自分の絵が立体的になることが興味深いようで、喜んでいました」と語った。

 つげ義春作品は最近、正助氏の尽力などで作品集、関連書籍の出版が相次ぐ。今年1月には単独では初めてとなる展覧会「『マンガ家・つげ義春と調布』展」が調布市で開催された。正助氏は予想以上の盛況に驚いたという。

 ワンフェスには毎回参加してきたオデさん。つげ義春作品の第6弾が気にかかる。「好きな作品が多すぎて。やりたいことはたくさんあります」と声を弾ませていた。

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