いま、「月9」で法科大学院をテーマにしたドラマをやっていると聞きました。北川景子さん主演「女神の教室~リーガル青春白書~」なんですね。
「法科大学院」は法曹(弁護士、検察官、裁判官)になるためのルートの1つとして、2004年に各大学に創設された制度です。ロースクールとも言います。
当初、法科大学院は大注目され、各大学がこぞって法科大学院を新設しました。志願者数(のべ人数)も7万人を超えるなど、かなり人気を博したようです。
それもそのはず、当初は「法科大学院を卒業しさえすれば、7割は司法試験に合格する」と謳っていたからです。実は私もこの謳い文句に釣られて司法試験業界に足を踏み入れた一人です。
ところが、実際に入学してみると、周りは大多数が法学部からそのまま上がってきた若くて優秀な学生ばかり。私のように社会人経験者、かつ、他学部出身者ときたら完全な少数派でした。みんなただでさえ優秀なのに、そのうえ真面目で、始発から終電まで自習室で予習復習をします。私などはそんな生活にとてもついていけず、表面的には平静を装っていましたが、実際はいつも心臓バクバク、試験でも赤点をとりまくって留年の危機にも陥るほどでした。
おまけに「卒業しさえすれば、7割は司法試験に合格する」と言っていたのに、合格者は徐々に減らされていき、私の時代は2~3割程度にとどまりました。
そうなると、クラスメイト全員が敵に思えてきます。司法試験直前は、誰しもピリついて自習室が殺気立っていたのをよく覚えています。至る所で悪口を聞き、喧嘩を目撃しました。恐怖からか、私から見たらすごく優秀なのに、司法試験までたどり着く前に法科大学院を去る人もいました。
私自身もマイナスオーラの塊だったはず。それでも最後まで自主ゼミを一緒にやってくれた10歳下のクラスメートには、心から感謝しています。
「月9」の話に戻りますが、こうした法科大学院の現実を描いているのか、非常に興味があります。いつか見てみようとは思いますが、辛かった毎日を思い出して胃が痛くなるかもしれません。