空手家の店長がこだわる絶品の一杯 和歌山競輪場「和歌山ラーメン」 ウエイトリフティングも全国3位

中江 寿 中江 寿
森本店長(本人提供)
森本店長(本人提供)

 和歌山市の和歌山競輪場にある場内唯一の食堂「森本屋」の森本博明店長(58)は、まるで格闘家のような分厚い胸板と筋骨隆々でマッチョな体つき。それもそのはずで、他にも整骨院、空手道場を開き、そこでウエイトリフティングも教えている。10歳から始めた空手は六段、K-1選手と一緒に汗を流したこともある。ウエートリフティングでは昨年の第40回全日本マスターズウエイトリフティング競技選手権大会55~59歳67キロ部門で3位に入賞した。
 「コックなら食うに困らないと思った」と高校を卒業後に料理の道へ。最初は東京で有名居酒屋チェーン店の正社員として働き、地元の和歌山に戻ると親戚が所有する飲食店にコックとして入る。その後に約30年前に和歌山競輪場で、うどん、そばをメインにした出店をスポットで構え、約10年前に食堂として営業を始めた。
 店で出される「和歌山ラーメン」(700円・税込み)は、森本店長がこだわり抜いた一品だ。業者から提供される2種類の「返し」(タレ)は、何種類の候補の中からから選んだ。これをブレンドして、自家製スープを混ぜる。麺も「レースの合間にお客さんが食べるから」と早くゆで上がるようにと、和歌山ラーメンの製麺所に特注した細麺を使用している。
 チャーシュー、かまぼこ、メンマ、ネギの具材も同じ。仕入れてたメンマはさらに口当たり良くするため手で細くさき、ネギも近所の農園から新鮮でおいしいネギを手に入れている。一番のこだわりは水で、現役アスリートも愛用する浄水器「超水」を使用。森本店長が「全然違いますね」と言うように、臭みは全くなく、飲みやすくておいしかった。
 食べてみると、見た目ほどこってり感はなく、飲みやすいスープ。麺はのどごしが良く、メンマもやわらかくて、チャーシューも食べやすい。「ちょっとした工夫ですよ」と詳細は明かさないが、その笑みからは味に対する自信がうかがえた。

 営業時間は開催中、場外発売が行われている10時から15時。勝負だけでなく、マッチョな店主がこだわる絶品の一杯を堪能してほしい。
 ◆和歌山競輪場 和歌山県和歌山市5筋目10の1 南海本線和歌山市駅から徒歩約8分。

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