立憲民主党代表代行の辻元清美参院議員(64)が19日、和歌山県橋本市の商業施設前で、衆院選(27日投開票)和歌山2区に同党公認で立候補した新古(しんこ)祐子元和歌山市議(52)の応援演説に駆けつけた。
和歌山2区は、自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる、いわゆる“裏金問題”で同党を離党し、無所属で参院からくら替え出馬した世耕弘成氏(61)と、同問題で政界を引退した自民党の二階俊博元幹事長(85)の三男で公設秘書だった伸康氏(46)の保守分裂選挙として注目を集めている。
“紀州戦争”とも称される激戦区での応援演説に、並々ならぬ意気込みで登場した辻元氏は「全国が、この和歌山2区を注目しています。世襲や裏金、利権にまつわるネットワークがあるんじゃないかと思われる和歌山2区が変われば、日本の政治は変わるんじゃないんでしょうか。和歌山2区から、日本の政治を変える狼煙(のろし)を上げていただきたい」と訴えた。
さらに「紀州戦争の勝者は、二階さんでも世耕さんでもない。紀州戦争の勝者は、有権者の皆さんであるという選挙にしていただきたい」と声を張り上げた。
辻元氏は「和歌山2区の皆さんが特に、この裏金や世襲っていうダブルで来ているのを許すのか。もしここで当選させてしまったら認めたことになる。自浄能力を示されないんだったら、有権者の皆さんに処分していただく」と呼びかけた。
地域性を考え、いつもより長めの演説を行ったという辻元氏は「保守王国って言われていると、どうしても私たちの話を聞いてるっていうのを近所の人に見られたらかなわん、みたいなそういう傾向がある。ここから見ていると(遠くで)向こうの方から聞いてはるとか。そういう人もいらっしゃる。手応えがありました。割り込んでいける余地は十分ある」と、手応えを感じたという。
新古氏を「勇気あると思います。裏金の親分格の衆議院の親分格が二階(俊博)さん、参議院の親分格が世耕さん。裏金と世襲、そこに割って入って戦う新古さんは、この裏金退治で立ち上がったジャンヌ・ダルクにしてほしい」と激励した。
ボルテージを上げた辻元氏は「こういう時に立ち上がるのは、女が多いの。男の人はね…結局『世話になってんねん』とか『今まで飲ましてもろてん』とか『白浜のセクハラパーティーに連れてってもうてん』とか、そういう人が関係者に多い。結局、おかしいと立ち上がるのは女性に多い!」と語り、支持者の笑いを誘っていた。
同区は共産党新人の楠本文郎元和歌山県議(70)、政治団体「鼎立(ていりつ)の会」の高橋秀彰氏(42)も立候補している。