中山千夏&ピンク・レディーの未唯mieと競演する女性芸人「舞台で化粧しない」魅力を語る

北村 泰介 北村 泰介
絵本作家としても活躍する中山千夏。「人はみんな違うということを伝えたい」と作品に込めた思いを語った=神戸新聞社(2005年撮影)
絵本作家としても活躍する中山千夏。「人はみんな違うということを伝えたい」と作品に込めた思いを語った=神戸新聞社(2005年撮影)

 「天才子役」から女優となり、さらには歌手、テレビ司会者、声優、エッセイスト、参議院議員など幅広く活躍してきた作家の中山千夏と、1970年代後半に社会現象となるブームを巻き起こしたピンク・レディーの未唯mieが28日、静岡県伊東市にある同じ会場で舞台に立つ。同日午後2時から伊東市ひぐらし会館ホールで開催される公演「新生 市民劇場 ちょっと劇場へ!Vol.3 スセリ☆台本劇場in伊東2」だ。両者を媒介した女性芸人・オオタスセリが、よろず~ニュースの取材に対して、出演の経緯を明かし、異色の顔合わせに期待を込めた。(文中敬称略)

 オオタは「主催は(市民グループ)『新生 市民劇場』さんで、『地元の演劇好きな人や子どもたちに生の舞台の娯楽を』『高齢化で、なかなか遠くまで舞台を見にいけない人たちに地元で観劇を』という新生市民劇場さんの思いで開かれる公演です。ブッキング(企画内容の調整等)は伊東在住の中山千夏さんです。といっても、企画自体はお任せいただいています。…。千夏さんから『地元で生の舞台を見たい人たちがいる』とのことで私が呼ばれ、今回がアンコール公演です。未唯さんは静岡県出身ですので、県民性のお話やエピソードもあると思い、お願いしました」と説明した。

 中山の公演での肩書は「肝煎(い)り」。オオタは「(中山サイドから)『肝煎りが良い』という風に言われて。この言葉のニュアンスとしては『地元文化の活性化』という思いで公演に参加するが、『あまり表に出たくない、縁の下の力持ち』というスタンスがあると思われます」と推測する。

 オオタにとって、中山との出会いは恩師である永六輔を通してだった。

 「千夏さんとは、2003年末の(東京・新宿)紀伊國屋ホールの『新宿寄席』だと思います。永六輔さんが『飛び入りでコントを』とのことで、私はラジオ体操のコントをさせていただきました。中山さんとはその時に初対面です。それから毎年『新宿寄席』で、永さんが亡くなった翌年の16年までご一緒しました。中山さんは私のことを『女・三上寛』と呼んでいただき、そのおかげで(フォークシンガーの)三上寛さんとも対バンさせていただきました。また『芸人9条の会』にご賛同いただき、こちらも何回もご一緒しています。『おんな組いのち』という番組に出していただいたり、雑誌の取材のお話をいただいたり、お世話になっています」

 中山の第一印象について、オオタは「『舞台に出るときにお化粧をしていない』です。芸能人の方…、文化人かもしれませんが、お化粧しないで舞台に出る方に初めてお会いしたかもしれません」と振り返る。さらに、「会話が分け隔てないです。お会いしてから日が浅くても、本質的な会話を投げかけていただけて、本気でお答えしていいか迷いました。政治のこと、世の中のこと、芸能の感想のことなどです。穏やかな口調で世相を斬るので、不意打ちが多く、雑談でも聞き逃せません。懐の深い方です」と語った。

 一方、未唯mieについて、オオタは「今回で(コント共演は)5回目です。『台本通りにやります』と、誰よりも稽古をたくさんしてきて、準備して、でも本番では共演者(三ツ矢雄二さんや私)のセリフ忘れなどを何事もなかったかのようにアドリブでフォローしてくださるところだと思っています。空いた穴を、なかったことのように埋めてくださるところがかっこいいです。そして、舞台上でもらい事故のようなことがあっても、人のせいにしないで、『もっと勉強しなくては』とおっしゃっているところです。食事や睡眠だけでなく、姿勢がストイックだと思います」と魅力を挙げた。

 オオタは「(自身にとって)代表作の台本なので、未唯mieさんと共演できる喜びを、笑いに変えてお客様に届けたいと思います。他では観られない公演です。また、中山さんはオンラインゲームをなさっているので、未唯さんと共通点があるなぁと思っています。これは本番で聞いてみたいことです」と2人と共演する伊豆半島での1日を心待ちにしていた。

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース