身体は職場を離れているのに…あなたは「心の残業」してしまっていませんか?

近藤 リナ 近藤 リナ

「心の残業」という言葉がSNS上で話題となっている。 

「以前、同級生の税理士が『心の残業』という言葉を使っていて、面白い概念だなと思った。」と投稿したのはイシイマサトさん(@i_facstory)。

残業とは普通、所定の労働時間を越えて身体的に働くことを指すが、心の残業とは体が職場を離れてプライベート時間になっているのに仕事のことを考え続けてしまっている状態を指す。

恐らく誰しもが経験したことがあるだろうこの状態をたくみに表現した「心の残業」という言葉に対して、「昔、定時後も仕事のことうんうん考えてたら、「今そうやって考えてる時間に残業代出ないよ?(意訳:だからタイムカード押した後に仕事のこと考えるのやめよう)」って言われてなるほどなー切り替え大事って思った」「これよくあるんだよなぁあんまりひどいと考えるだけじゃなくて夢でも仕事してる」など共感のコメントが多く寄せられている。  

イシイマサトさんにお話を聞いた。

近藤理菜(以下「近藤」):知人の方から「心の残業」のお話を聞かれた時の率直な感想をお聞かせてください。

イシイマサト:その時は、あるプロジェクトの責任者をしていて四六時中働き、職場を離れても仕事のことが頭から離れない状態でした。だから、今の自分は「心の残業」にどっぷりと浸かっているけど、このままではいずれ身心を損なうのではないか……?と思いました。

近藤:「心の残業」について聞かれた後、ご自身の仕事に向き合う考え方に変化がございましたらお聞かせください。

イシイマサト:「心の残業」という言葉を聞いて、すぐに仕事への向き合い方を改善できたわけではありません。でも、仕事のことをすっかり忘れる時間をつくる意識が芽生えて、職場を離れた時は、仕事のことを考えないようにしようと思うようになりました。

でも、仕事において「気になる部分、自分のやるべき事がはっきりしないモヤモヤした状態」が残っていると、仕事を忘れづらくて「心の残業」をしてしまうのだと気付きました。それに気づいてからは、職場を離れる前に「気になる部分、モヤモヤした状態」を解消するようになり、仕事のオンとオフを切り分けて、メリハリをつけられるようになりました。

近藤:これまでの反響やコメントについてご感想をお聞かせください。 

イシイマサト:「心の残業」で苦しんだ経験のある人は多いだろうとは想像していましたが、個人の心持ちを変えるだけでなく、会社側の配慮も必要なんだろうな、と感じました。また、「心の残業」をしない時間が、逆に「考えがまとまる、アイデアが生まれる」機会になっているというコメントがいくつかあって印象的でした。発想豊かな脳の使い方として、「心の残業」をしないことは大切なのだと感じました。

◇◇

「心の残業」という概念を知ることは、仕事とプライベートのバランスを見つめなし、仕事に対する意識を変える機会につながる。ぜひ読者の皆さんも思わず「心の残業」をしてしまっていないか振り返ってみてほしい。

なおイシイマサトさんは今年9月に著書「夢をかなえる! 使える事業計画書のつくり方(ビジネス教育出版社)」を出版。ご興味のある方はぜひチェックしていただきたい。

 

イシイマサトさん関連情報

ファクストリ代表 石井真人(イシイマサト)。

Twitterアカウント:https://twitter.com/i_facstory

「夢をかなえる! 使える事業計画書のつくり方(ビジネス教育出版社)」:https://www.amazon.co.jp/dp/482830973X/

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