10月11日、イ・ビョンホンとユ・アインの主演映画『勝負』の公開場所について、メディアを賑わせた。
2人の初顔合わせとなった本作は、韓国囲碁界に実存した人物の、チョ・フンヒョンとイ・チャンホの“勝負”を描いた物語。
2021年に撮影を終えており、現在は公開を待っている状況だ。そしてこのほど、Netflixでの配信になるとメディアで報じられたが、Netflix側が「決まっていることはない」と立場を表明した。
韓国囲碁と言えば、韓ドラファンならピンとくるかもしれない、tvN『恋のスケッチ〜応答せよ1988〜(以下、応答せよ)』が思い出される。
2015年に『応答せよ』シリーズとして放送され、日本でも話題を呼んだ人気作だ。
同じ町内に住む、5人の幼なじみが登場するのだが、その中の一人がパク・ボゴム演じるチェ・テク。
彼は“天才囲碁棋士”として高校へは進学せず、プロの道へ。その道で名を馳せたとされている。
この彼が演じた、チェ・テクのモデルとなったのが、『勝負』でユ・アインが演じた“イ・チャンホ”なのだ。
イ・チャンホは、4歳の時に祖父から囲碁を教わると、天才的実力を発揮して、11歳でプロへ。16歳の時に、師匠であるチョ・フンヒョンを負かし、タイトルを奪取。
国内外で“天才囲碁技士”として、時の人となった。
47歳(日本年齢)となった現在も現役であり、最高齢リーガーとして活躍中だ。
そんなイ・チャンホと言えば、“伝説”と呼ばれる試合がある。上海で行われた『第6回 農心辛ラーメン杯 世界囲碁最強戦』だ。
韓国棋士団の一人として参戦したのだが、彼以外の4人全員が敗退、イ・チャンホが5連勝を収めて韓国が優勝、別名“上海大勝”と呼ばれた。
この当時メディアで公開された写真では、他国チームが談笑しながら歩く中、少し遅れてイ・チャンホが一人ゆっくり歩いている。
後に圧倒的勝利を収めたため、“イ・チャンホの威容を証明”と韓国中が歓喜。そして、この出来事が『応答せよ』第6話で登場する。
たった一人で国を背負い、廊下を静かに歩いて試合会場へ向かうシーン。パク・ボゴムはイ・チャンホの表情や身振りを研究し、数カ月間囲碁センターに通って碁石の掴み方から指し方まで研究したそうだ。
その甲斐あってかドラマは大ヒットとなり、パク・ボゴムの人気も上昇。一時期は、囲碁の関心度まで高めるなど、囲碁業界にも貢献することに。
これらの背景を頭に入れ、改めて『応答せよ』を鑑賞してみたら、ひと味違う面白さが新たに発見できそうだ。
(構成:Danmee編集部)