Netflix 韓ドラ「ナルコの神」実在するスリナムの麻薬王…今はどこに?

実在した“麻薬王”と、彼を取り巻く人々を描いた『ナルコの神』。(写真提供:スポーツ韓国)
実在した“麻薬王”と、彼を取り巻く人々を描いた『ナルコの神』。(写真提供:スポーツ韓国)

Netflixオリジナルシリーズ『ナルコの神(原題:スリナム)』が、9月9日より配信がスタートした。

ハ・ジョンウ、ファン・ジョンミン、チョ・ウジン、ユ・ヨンソク、パク・ヘス、チュ・ジャヒョンと超豪華出演者を迎え、骨太な物語を展開する。

 日本でも同日より配信が開始されたが、現時点ではどうやら人気はいま一つ。シルバーウイークを控え、今後注目を集めるのではと見られる。

そんな本作は、実話を基に作られており、その背景について少し紹介したい。

ファン・ジョンミン演じるチョン・ヨファンは、南米の小さな国家スリナムで麻薬密売組織を作り、“韓国の麻薬王”と呼ばれていたチョ某氏(以下、チョ氏)がモデルとなっている。

チョ氏は1994年に、10億ウォン(約1億円)代の建築詐欺事件で捜査網に浮上すると、犯罪者引き渡し条約が締結されていないスリナムへと逃亡。

魚介工場を経営していたが(『ナルコの神』では、民間人協力者が魚介工場を設立したとなっている)、事業が厳しくなると、これまで作り上げてきた人脈をたどって、南米最大の麻薬カルテル組織“カリ・カルテル”と手を組み、麻薬密売組織を構築する。

チョ氏は、スリナム同胞や国内にいる韓国人たちを「高額アルバイト」と誘惑し犯行へと引き込む。

自身がまさか、麻薬の密輸に加担しているとは知らず、フランスやオランダを行き来したところを現地で逮捕され、そのまま獄中生活を余儀なくされた者も。

この事件をきっかけに、チョ氏の正体を知った検察は2005年6月にインターポールへ手配したのだが、韓国国家情報院(以下、国情員)が本格的な検挙に乗り出したのは、チョ氏が麻薬を国内に供給するため、ルートを探しているという情報が入った2007年10月の事だった。

そしてスリナム現地で、チョ氏から被害を受けた民間人事業家が、駐ベネズエラ韓国大使館に助けを求めていたことを耳にして、麻薬取引の仲介者になりすますよう説得、潜入捜査に協力してもらうことに。

その人物、カン・イングを演じるのが、ハ・ジョンウだ。彼は、国情員と米麻薬取締局が作り出した、仮想の在米韓国人麻薬商人と、チョ氏の麻薬取引を仲介するという任務を引き受ける。

結局、チョ氏は国情員と米麻薬取締局、ブラジル警察の共助で2009年7月に、サンパウロにあるグアルーリョス国際空港で逮捕された。

さらに2年後の2011年に、ブラジル連邦最高裁判所で犯罪人引渡しが決定、国内に押送されたチョ氏は詐欺、麻薬密輸などの疑いで懲役10年と罰金1億ウォンを宣告される。

彼が麻薬を売りさばいた額は、史上最大規模と言われ、当時の時価で約1600億ウォン(約160億円)だったそうだ。

また、後の検察の取り調べで「スリナム元大統領の、デシ・ボーター(2010~2020)とも親交があった」と供述。デシ・ボーターは2002年、麻薬密売の容疑で懲役11年の刑を言い渡された、元麻薬事犯大統領だった。

2011年から服役していたチョ氏は昨年出所し、その後の行方は不明と言われていたが、ある韓国メディアによれば、現在はスリナムに戻り静かな余生を送っているという。

国外へ逃亡した“麻薬王”を捉えるため、血汗を流した人々の熱い物語(全6話)を、この連休に一気見してみてはいかがだろうか。

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