将棋・内藤國雄九段〝宿敵〟有吉道夫九段の死を悼む 「嫌いだった」と告白も「大事な人だった」

よろず~ニュース編集部 よろず~ニュース編集部
内藤國雄九段
内藤國雄九段

 将棋のプロ棋士として活躍し、歴代8位の通算1088勝を挙げた有吉道夫九段が、27日に誤嚥性肺炎のため死去していたことが28日、分かった。87歳だった。有吉九段とは自他ともに認める〝宿敵〟だった内藤國雄九段は、よろず~ニュースの取材に応じ、ライバルの死を悼んだ。

 内藤九段は有吉九段との間柄について「日本一になろうと思うと、関西の決勝で必ず当たるので、ライバル心が余計強くなった。(通算対決を)100番まで行きたいと思ったら、少しだけ足らんかった。ほんのちょっと私が勝ち越した(93局で内藤九段の49勝44敗)んですけどね」と述懐した。

 有吉九段については「『火の玉流』と言われて、闘志が盛んで、駒音高くやってくるし、駒の並べ方にも縁起を担いで癖がある。盤の升目の、下側の線の上に駒を置くんです。私はそれに腹が立って、有吉さんがトイレに立ってる間に元に戻す。で、戻って来たらまた直されるんです」とエピソードを披露。「正直、ウマが合わなくて、嫌いな相手だった。こっちも向こうも燃える相手でね。あちらが4歳上で、ライバルというのはしゃらくさいという気があったんですかね」と、率直な思いも明かした。

 一方で「どんな時でも闘志をむき出しにして来られてね。晩年は感謝の気持ちもあった。有吉さんのおかげで頑張れたな…と。年を取ると、途中でやる気なくなる時もあるんですよ。でも有吉さんの対局となると、気持ちが奮い立ちましたから。大事な人だったとも思います」としみじみ。「有吉さんがいなかったら、最後は退屈な人生だったかもしれないけど、立ち直りました。いろいろな思いがありますが、ご冥福をお祈りします」と結んだ。

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