都内唯一サブスク喫煙所 月2200円にすることでマナー面に「安心感」 利用客からも大好評 

杉田 康人 杉田 康人
秋葉原のビル内に設置されたサブスク喫煙所
秋葉原のビル内に設置されたサブスク喫煙所

 起業者向けのレンタル・シェアオフィス事業を展開するNUWORKS(ニューワークス、東京都豊島区)が、秋葉原のビル内に月決め2200円のサブスク喫煙所を設置。コロナ禍で肩身がさらに狭くなった愛煙家の熱視線を浴びている。

 月決め会員になると、平日午前9時~午後7時まで使い放題。サブスク方式の喫煙所は、都内唯一だ。NUWORKSによると、現在約250人の月決め会員がいる。ビル内のオフィスで勤務する200人のほか、周辺から50人が利用。口コミで広がっているといい、月に3人ほどの新規申込がある。

 同社取締役の守屋浩二さん(41)は「1日あたり100円。1日4、5回来られる利用客もいる。たばこを吸うたびに喫茶店に行ってコーヒーなどを飲むと300~400円かかるので、そのような方にありがたく思われています」と話し、利用者からの好評ぶりを明かした。

 受動喫煙を防ぐ改正健康増進法が施行された2020年4月に、同社が設置。設計などで、JTの協力を仰いだという。秋葉原一帯で路上喫煙をすると、千代田区生活環境条例で過料処分の対象となる。コロナ禍で密を避けるために、喫煙所が次々と閉鎖されたのも追い風となった。守屋さんは「喫煙者の避難所になっている。路上喫煙や、たばこのポイ捨てなども周辺では多少なりとも減ったのではないか」と、地域貢献の側面もあるという。

 会員になると、自身の交通系ICなどがエントランスの鍵代わりに。喫煙所には、顔認証で入室できる。無料のものとサブスク喫煙所の差別化について、守屋さんは「登録制にすることで、安心してご利用いただける。マナーを重視しており、スポット型の利用にしてしまうとマナーの悪いお客さまが出てきてしまい迷惑になる」と分析した。

 周辺のオフィス勤務者からの利用申込第1号は、近くの金融機関に勤務するという女性。制服を着用しているので、周辺の無料喫煙所などで喫煙すると企業名が〝バレる〟可能性があったからだという。喫煙所の広さは約11坪。空調や灰皿、ソファ完備で、一番混むお昼休みの時間帯で20人ほどが一服している。

 赤字にはなっていないが、利益を生み出すまでも至っていないという。1カ所で会員数を急増させると「密」になってしまうジレンマがあるとした守屋さんは「テレビなどで取り上げられた後、企業などから『やりませんか』という話が来た。人口や面積と比較して、喫煙所が圧倒的に少ないのは都内。お声がけしていただければ、協力させていただきます」と、今後の都内でのフランチャイズ展開も見据えた。

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