俳優スティーブン・セガール(70)が、爆撃を受け7月の大爆発でウクライナ人捕虜50人が死亡したウクライナ東部ドネツク州のオレニフカ収容所を視察した。以前プーチン大統領を世界で最も偉大な指導者の一人と呼んでいたスティーブンだが、親ロシア派によって捕らえられたウクライナ人捕虜が収監されていた同収容所を鉄格子越しに視察しているところが目撃された。同収容所では、マリウポルのアゾフスタル製鉄所で包囲され5月に降伏して投降した捕虜が含まれていたが、壊滅状態に陥っている。
スティーブン訪問の映像は、ロシアのテレビ局テレグラムで流され、司会者でプーチン大統領の宣伝で知られるウラジミール・ソロフィエフは、スティーブンが「アメリカのロケットの破片など、キエフで自国の兵士が大量殺戮に関係していることを確認する証拠を一個人として調べていた」と伝えている。
ロシア国籍を持つスティーブンは、分離独立したドネツク人民共和国の元首デニス・プシーリンと共に視察しているところを目撃されており、プシーリンは、スティーブンがウクライナ戦争についてのドキュメンタリーを撮影していると主張。「スティーブンは、メディアで紛争について話している人々の98%パーセントは、ここ(ドンバス)に来たことがないと言っていた」と話した。
1990年代に『ハード・トゥ・キル』『沈黙の戦艦』の主演で一躍有名となったスティーブン、2016年にプーチンから直接ロシアのパスポートを受け取り、同年にヨーロッパで最もロシア寄りであるセルビアの市民権も取得。その2年後にはロシアの人道問題担当の駐米特使に任命された。今年3月、プーチン大統領の誕生日パーティーのためにモスクワを訪れていた。