詐欺対策、外見のよい詐欺師のマインドコントロールに注意!弁護士が解説「人ではなく内容を見ること」

深月 ユリア 深月 ユリア
画像はイメージです(Elnur/stock.adobe.com)
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 芸能人が関連した巨額投資トラブルが大きく報じられて社会問題化している。実際に詐欺の被害に遭う人が増えているという。ジャーナリストの深月ユリア氏が専門の弁護士に話を聞き、だまされないための対処法を伝える。

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 お笑いコンビ「TKO」の木本武宏さんの〝投資詐欺事件〟をきっかけに、「詐欺」に注目が集まっている。筆者は「詐欺に強い弁護士」として有名な弁護士法人「ワンピース法律事務所」の杉山雅浩弁護士に取材した。

 杉山氏は弁護士として詐欺事件の立証のみならず、7月17日に「投資詐欺を根絶する法律を作る」と掲げた団体「投資まがい商法 撲滅立法委員会」に立ち上げた。 「投資まがい商法」とは、投資と見せかけて、市場価値のない未公開株や社債、ファンドなどを販売する詐欺商法のことだ。杉山氏自身も昔、投資詐欺にあった経験があるという。

 -杉山さんも昔、詐欺にあったのですね。

 「はい、友だちと思っていた人に勧誘され、投資詐欺にだまされました。日本の詐欺事件に関する世論は『被害者が悪い』というのも多いですが、自分自身も詐欺被害にあって気持ちが分かるので、詐欺師を撲滅するために努めております」

 -昨今、どんな詐欺事件が多いですか。

 「仮想通貨やFXなどの投資詐欺が、ここ10年で100倍に増えました。おそらく、簡易に情報伝達ができるSNSが増えていることが一因かと思います」

 -詐欺の見破り方はありますか。

 「(1)月利20%など現実的でない利率を掲げていること、(2)金融商品取引法の認可を受けていないこと、(3)紹介者が紹介料をもらえる。こういった案件はまず疑った方がよいでしょう。詐欺師に外見的に違和感なく、優しく接していますので、見破るには『人を見るのではなく内容を見る』ことですね」

 -被害にあった時の対処法はありますか。

 「お金を預ける前なら、とにかく、お金を預けないことです。預けてしまったら、警察や弁護士に相談することですが、今の法律だと、詐欺を立証する基準が厳しく警察は動いてくれないケースも多いです」

 -「投資まがい商法 撲滅立法委員会」ではどのように法律を変えたいですか。

 「(1)詐欺師が活動できなくなるような法律、(2)詐欺師の刑罰を厳罰化する、(3)警察が動きやすくなる法律を提案したいです。また、詐欺について世間に広報活動もしていきます」

 -詐欺師に有利な法律は変えて欲しいですね!最後にメッセージを。

 「『詐欺はだまされる人が悪い』というような世論がありますが、だまされた人は人それぞれ事情があり、マインドコントロールされています。詐欺をなくすために投資する時のリテラシーを作って欲しいですし、教育でも教えるべきだと思います」

 筆者も過去に映画の投資詐欺にあったことがあるが、いまだにお金が回収できていない。日本は「詐欺天国」とも言われることがあるが、詐欺師が「法の穴」をつき、「だます意思がない」「返すつもりがある」と主張したら、刑事事件として立証しにくくなる。民事も勝訴しても詐欺師に資産がなければ、資産を隠されたら強制執行ができない。現状の「詐欺対策」で最も重要なのは、正規の金融機関以外にはお金を預けないことだろう。

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