内閣府が実施した結婚や収入に関する調査で、20代独身男性の約4割がデート経験がないことが明らかになり話題となっている。累計会員数が1500万人を超え、男女ともに利用者の半数以上を20代が占めるマッチングアプリ「タップル」を運営する「タップル」広報担当者が、よろず~ニュースの取材に応じ、内閣府のデータとアプリ利用者とのギャップ、整合性について答えた。
内閣府のデータからは20代男性が恋活に対し控えめ、消極的である印象が与えられる。だが、タップルでは、自己紹介文などアプリが推奨する基本情報を登録している20代の91%が、新規登録から24時間以内にマッチングを果たしているという。担当者は「1カ月4000円の有料プランを利用する人がほとんどで、恋活に対し積極的な人が多い」と説明。奥手なイメージとは対照的な姿も浮かび上がってくる。
アプリの月間新規登録者数は、コロナ前から180%増になっている。外出自粛に伴い、出会いの場が減少したことでアプリへのニーズが高まっており、最近では芸能界でも〝マッチングアプリ婚〟が発表されている。
ただ、マッチング後について見ると、内閣府のデータとの整合性が見受けられる。メッセージを重ねてもデートに誘えない男性が少なくなく、交際まで発展しないケースも多いとか。タップル公式サポーターとしてYouTubeで1000人以上の恋愛相談を受けてきた「とーま」氏は「男性がなかなか誘ってくれない」「女性側から誘うのは恋愛に焦っている、ガツガツしているイメージがあるからデートになかなか行けていない」といった話を聞くという。
若者男性の間では、「今の関係を壊したくない」「誘って嫌な顔をされると思うと怖い」といったマイナス思考が背景にあり、実際に出会う段階になると奥手な一面が出てくるようだ。
また、「ー4割デート経験なし」の原因について、ネット上では「娯楽の多様化」が上げられ、1人の時間を楽しむ層が増加していると指摘される。一方で、アプリでは共通の趣味をきっかけに交際へと発展しやすい傾向があるという。恋人ができた人に向けたアンケートでは、メッセージの会話内容について「趣味の話」と回答した人が72%と圧倒的だった。
担当者は「相手に直接会おうと思った理由としても『共通の趣味があった』という回答は非常に多かったです」。プロフィール欄などから事前に相手の趣味を把握できることで会話も切り出しやすく、出会いのハードルも低くなると考えられる。
タップルは「恋愛総量を増やす」ことを目指している。若い世代でもアプリへの抵抗感がある人が一定数いると理解を示し、”4割”を含む人たちがアプリを利用しやすい環境作りに着手している。友人を通してアプリを利用する人が多いことから、マッチングアプリ初となる「LINEギフト」の提供を開始。利用者が気軽にギフトを友だちに送れるように1週間1500円プランを販売している。担当者は「恋愛や結婚について価値観の多様化する現代ですが、恋愛をプレッシャーではなく、自分らしく過ごせるパートナー探しとして楽しんでいただけるようにさまざまな取り組みを行ってまいりたい」と話した。