マックスむらい、ゆかりの地・原宿で〝再出発〟「ゼロから新しいものを生み出したい」

松田 和城 松田 和城

 人気ユーチューバー・マックスむらい=実業家・村井智建さん(40)は、2020年1月から〝脱マックスむらい〟をかかげ、インフルエンサー活動からコンテンツ事業に軸を移していた。長年関わりのある原宿で事業を展開し「ゼロから新しいものを生み出したい」と、かつての流行発信地の活性化に意欲を燃やしている。

 いちご大福を売る「友竹庵」を昨年9月にオープン。竹下通りの店舗にはコラボ企画が実施されている「ラブライブ!スーパースター!!」のファンが集う。コラボメニューや限定グッズを求める姿、店舗近くの商業施設「CUTE CUBE HARAJUKU」で作中のスクールアイドルグループ「Liella!」のメンバーが登場する壁面パネルで記念撮影を楽しむ姿も見られた。限定缶バッジやキャンバスボードが当たる1回600円のランダムトイは、同社が今年4月に配信したアプリ「HARAJUKU」をダウンロードし、原宿の指定スポットにチェックインすることで引くことができ、「壁面パネル前」と「友竹庵」の2箇所で商品交換が行われる。

 JR原宿駅、竹下口から徒歩5分。村井氏は「原宿は発信というか文化をつくる中心だと思っています。ただ、コロナの期間も含めて、ここ10年ぐらい『原宿発』っていう商品ってそんなにない。原宿はかなり前から観光地化している。『原宿発』でゼロから何かが生まれるっていうのはなかなか見づらい環境。こういったラブライブ!スーパースター!! さんとのコラボで実現した新しい取り組みなど通して原宿を、原宿発をもっと盛り上げていきたい」と誓った。

 原宿には縁がある。20年1月に社長に復帰したAppBankではメディア、ライツ・マネジメント、広告プラットフォームなど様々な事業を手がける。10代後半から20代中盤まで同地に住居を構え、2006年には同社の前身となる会社「GT―Agency」を原宿占い館タリムと協業で設立。インフルエンサーとしてカリスマ的存在だった頃は原宿にあった「ニコニコ本社」に通った(2014年10月に池袋に移転)。「ずっと15年くらい原宿になじみがあったんです。なので都内で何かやろうってなったときに『原宿だろうな』と。周囲に知ってる方が多い方がいいという点もありました」と説明した。

 2014年にゲームアプリ「パズル&ドラゴンズ」のプレイ動画などが注目を集め、インフルエンサーとして最盛期の動画関連収益は年間十数億円にのぼった。しかし翌年、会社でのトラブルの影響もあり失速。5年後の2020年に社長復帰後、「マックスむらい」というコンテンツに頼る経営に大きな成長はないと判断。中期経営計画で「脱マックスむらい戦略」をかかげ自身と〝決別〟した。昨年4月下旬から約1カ月半、黒フルーツ大福を売る「友竹庵」ショップを期間限定で展開。ユーチューブで「私自身がHIKAKINさんなどいろんな方とコラボすると、最寄り駅から5分ということもあり、みなさんすぐに来ていただける。面白い街だなあというのを改めて感じました」などと、客層のマッチ度合いやアクセスの良さから手応えを得た。

 原宿が舞台のテレビアニメ「ラブライブ!スーパースター!!」とのコラボレーション企画は「友竹庵」「HARAJUKU」それぞれ6月5日まで開催中。「今後もビックリするようなラブライブ!スーパースター!!さんとの展開に期待してください」と呼びかけた。

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