明智光秀ゆかりのある地である京都・福知山市は2日、昨年11月から約1カ月間募集していた「明智光秀のそっくりさん」を発表。50人の応募者からグランプリに選ばれた福知山公立大学4年の秋山蒼さんは「まさか自分が選んでいただけるとは思っていなかったので、すごくびっくりしました」と振り返った。
「本能寺の変」が起こった1582年から440年経ったこの日、〝令和の明智光秀〟が誕生した。福知山市の礎をつくった明智光秀と現在をつなぐキーパーソンとして、そっくりさんを募集。ビジュアル面だけでなく、光秀、福知山への思いも審査基準とした。参加者の年齢層は0~73歳と幅広く、市在住から10人、外住から40人が集まった。海外・ドイツからの応募もあったという。
高校まで静岡県で過ごした秋山さんは、大学から福知山市に住み始めた。顔が光秀に似ているといわれた経験はなかったが、妹の「控えめながらも真面目で、他人のために尽くす冷静で温厚な人柄が光秀像とかぶる」という説得のもと、興味本位で応募。肖像画からら醸しだされる柔らかい印象や凜とした部分に加え、光秀のイメージに合致する推薦文が評価を集め総合力の高さで選ばれた。
大学ではサークル「dokko」で地元住民とまちづくりに関するボランティア活動を行い、福知山市の魅力に触れた。「畑を借りて、地域の方に柵の立て方から教えてもらいました」。京野菜・万願寺とうがらしやトウモロコシなどさまざまな作物を育てたという。街の歴史や地形にも興味を持ち、〝第2の地元〟として徐々に愛着が湧いた。
この日から、市民参加型の新企画「福知山の変」が始動。福知山で挑戦し、変化をもたらす〝変化人(へんかびと)〟を紹介する。同日、企画の顔として、自身が写る広告ポスターが披露された秋山さんは、選ばれた実感を得た様子。「よくいわれるかもしれないんですけど、京都府って京都市だけじゃない。福知山市にも目を向けてもらえるような機会が増えていけば」と話していた。