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日活ロマンポルノ最新3作品9月から上映 監督の松居大悟、白石晃士、金子修介が手応え

よろず~ニュース編集部 よろず~ニュース編集部

 日活は31日、ロマンポルノ50周年記念企画で製作される3本の新作映画のタイトルと公開日、主要キャストを明らかにした。松居大悟監督「手」が9月16日、白石晃士監督「愛してる!」が9月30日、金子修介監督「百合の雨音」が10月14日に公開される。

 「手」は山崎ナオコーラの同名小説が原作。20代のリアルな男女の姿を巧みに映し出す。年上男性ばかりと付き合ってきた主人公・さわ子の機微を福永朱梨が豊かな感性で演じる。

 松居監督は「愛する相米慎二監督などが手がけた邦画の歴史あるレーベルに参加できること、光栄に思います。『今までとは違う、新しいロマンポルノを作りたい』という結城未来プロデューサーの熱意と、繊細に紡がれた山崎ナオコーラ先生の原作に胸を打たれ、シンプルにいいチームでいい作品を作ろう、と心掛けました」と述べ「オーディションで出会った福永朱梨さんの佇まいがとにかく素晴らしく、福永さん演じる"さわ子"の感性を追いかけながら連れていってもらいました。誤解を恐れずにいうと、これは、福永朱梨の映画なのでは、と思ってます。楽しみにしてくれたら嬉しいです!」と呼び掛けた。主人公・さわ子を演じる福永朱梨は「『手』に出会った時、他人事とは思えない繋がりを感じました。俳優と一緒にとことん悩んでくれる松居監督と心強い先輩方の胸をお借りし思いっきり飛び込ませて頂きました。私にとって、宝物のような作品です」と感慨深げに語った。

 「愛してる!」ではホラー・サスペンスの名手であると同時に、フェイク・ドキュメンタリーを得意とする白石がSM作品に初挑戦。新たな快感に目覚めていく主人公・ミサを川瀬知佐子が熱演。ミサをSMの世界に導いていく女王様・カノン役に鳥之海凪紗、ミサのライバルでもあるユメカ役に乙葉あいが抜擢された。SMを通して知られざる自分の本性があらわになり、解放されていくアイドルをポップに描く。

 白石監督は「私のロマンポルノは、未来を見ている映画です。オーディションで出会った川瀬知佐子さん、鳥之海凪紗さん、乙葉あいさんの3人が、それぞれの人生の未来に向けて、大切なものをさらけ出して全力で演技してくれたことに感謝し、この映画を3人に捧げます。ロマンという言葉にある希望のニュアンスに沿い、歴代ロマンポルノ幸福度ナンバーワンを目指してこの映画を作りました。どうぞお楽しみに」とコメント。主人公・ミサを演じる川瀬知佐子は「私自身と、演じたミサという役は共に不器用な人間ですが、その不器用な奴が発する、特別な熱量をこの作品に込められたんじゃないかなと勝手に思っています」と、達成感を口にした。

 「百合の雨音」はロマンポルノ作品「宇能鴻一郎の濡れて打つ」(1984)で監督デビュー後、平成「ガメラ」シリーズ(95~99)や「デスノート」(06)など大ヒット作品を生み出した巨匠が原点に立ち返る。過去のトラウマから恋愛に臆病になっている主人公・葉月には小宮一葉、憧れの上司・栞を花澄が演じる。ロマンポルノ作品では、女性同士の恋愛模様を「OL百合族19歳」(84)以来、38年ぶりに金子が艶やかに描いた。

 金子は「33年ぶりのロマンポルノで考えたのは『愛の行為で女性は如何に輝くのか?』という観点で、美しくも切ない愛する時の姿を『心の解放』として撮りたかった。小宮一葉さんは自分自身に驚きながらもデリケートに、花澄さんは全てを思い切りさらけだしてスリリングに演じた。大人の女性同士の熟したエロティシズムを描く親密シーンでは、インティマシーコーディネーターを交えて演技環境を整え、歓び華開いた女優さんたちに感謝感激!」と手応えを述べた。主人公・葉月を演じた小宮一葉は「ひとりの俳優として、そして女性として、この作品を広く観ていただける女性の映画にしたいと思い、金子監督の胸をお借りして、その為に力を尽くさせて頂きました。演じている最中は役として悲しみや辛さの中にも居ましたが、出来上がった作品は、温かみやおかしみのある、金子監督らしい人間讃歌になっていると感じました」と振り返った。

 同企画は1971年11月に第一弾「団地妻 昼下りの情事」(西村昭五郎監督)、「色暦大奥秘話」(林功監督)を公開し、88年までに1100本以上を世に送り出した成人映画レーベル「日活ロマンポルノ」の50周年プロジェクト。昨年11月に「百合」をテーマに金子修介監督、「SM」をテーマに白石晃士監督、「偏愛」をテーマに松居大悟監督の起用が発表されていた。新作映画製作における企画名は「ROMAN PORNO NOW(ロマンポルノ・ナウ)」。日活は「女性を強く美しく多彩なジャンルで描き、半世紀にわたり愛され続けてきたスピリットを受け継ぎ、現代のさまざまな生き方や個性を認め応援する、時代の『今』を切り取った新作映画を製作する」と意義を掲げている。

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