プロレス団体のゼロワンは、4月10日の両国国技館大会の試合中に負傷し、頚髄損傷と診断された大谷晋二郎(49)を支援する興行「押忍PREMIUM PRESENTS ONE TEAM ZERO1!大谷晋二郎エイド!!『何度でも立ち上がれ!』」を、6月4日に東京・大田区総合体育館で開催すると発表した。
諸経費を差し引いた大会の売上金全額を、治療とリハビリに取り組む大谷晋二郎の家族に寄付する。新日本、全日本、ノア、OZアカデミー、ディアナなど男女各プロレス団体が協力に名乗り。現時点で永田裕志、真壁刀義、本間朋晃、アジャコングの参戦が決定している。
ゼロワンの神尊仁社長(50)は「熱さを届け、募金も届けたい。この1回で終わることなくやっていきたい。仲間たちが集まって、大谷本人が元気に、笑顔になってもらうひとつのきっかけになれば。大谷の耳に入れて、本人の力になってもらえたらうれしいと思っています」とした。
神尊社長によると、ファンから応援メッセージが殺到。有志による「何度でも立ち上がれ!大谷晋二郎応援募金」も始まった。全国の児童養護施設での慈善活動や、いじめ撲滅を掲げ講演活動を行っていた大谷のアクシデントに、全国の各団体から〝恩返し〟の協力申し出が届いている。
21年8月に宇都宮市で旗揚げした栃木プロレス代表で、カミウトラストホールディングス会長の臼井伸太郎氏(47)は、大谷が力を注いだ慈善活動、いじめ撲滅の意思に共鳴する。栃木プロレスの選手は、大谷の指導を受けたと言い「選手は大谷選手の息子といっても過言ではない。何としてでも、大谷選手が復帰するリングを守りたい。団体として募金活動をする。いじめ撲滅などの大谷選手の気持ちを代弁していきたい」と決意を強くした。
大谷はゼロワンの旗揚げ20&21周年記念大会となった両国大会のメインイベントで、ノア・杉浦貴(51)の世界ヘビー級王座に挑戦。杉浦のジャーマンスープレックスでコーナーマットに叩きつけられた後に動けなくなり、レフェリーストップ負け。救急搬送され、頚髄損傷と診断された。
ゼロワンの神尊社長は「事故は検証の必要がある。しっかり受け止めて、検証していきたい。三沢(光晴)選手の例もある。(マット界は)長くアバウトになりがち。専門の方もそうですけど、第三者を入れて試合の映像などを見て検証する」と、リング禍の原因を究明するとした。
大谷は2021年9月、試合中に左前腕両骨骨折。長期欠場後、4月にリング復帰したばかりだった。神尊社長は「長期の欠場明けだったが(事故は)体調のいい悪いじゃない。大会の前に、大谷本人は『体調は悪くない』と話していた。試合に向け、体はできていた」と話した。