「ちびまる子ちゃん」で知られる漫画家さくらももこのナンセンスギャグ作品「コジコジ」を、単独では史上初めて取り上げる展覧会「コジコジ万博」が東京・立川のPLAY! MUSEUMで23日から開催されている。
“宇宙生命体” コジコジを主人公に、1994年から97年に雑誌「きみとぼく」で連載され、2010年から13年に雑誌「りぼん」で不定期連載された作品。テレビアニメはTBS系で1997年から99年まで全101話が放送された。展覧会ではコジコジたちが暮らす「メルヘンの国」のインスタレーション、漫画やイラストの原画130点、オリジナル映像を通じて、個性的なキャラクターや名言の数々、主な物語を体感的に紹介。友情や恋、自分探しに悩む仲間たちを、コジコジが明るく楽しく包み込み、すべてを笑いに昇華させていく作品の魅力に迫る。
同展を主催するPLAY!の広報担当は「ストレスの多い世の中だからこそ、何も考えていないようなのに哲学的で、人の心を救うコジコジを取り上げる意義があるのではないか、と考えました」とテーマを説明。「〝ラクにしなよ〟などコジコジの言葉に注目していただきたいです。見た目のかわいさに加えて、心に訴えかけるものがあると思います」と呼び掛けた。
完全新作のコマ撮りアニメ「コジコジと次郎の不毛な会話」では、NHK キャラクター「どーもくん」や「リラックマとカオルさん」で知られるアニメ制作スタジオのドワーフによる、立体的なコジコジのかわいらしい仕草やおしゃべりを上映。撮影で使われた「動くコジコジ」の人形も展示される。また、「ギャグ50 連発」「モヤモヤトンネル」「エモーショナルフレンズヒーリングゾーン」といった、コジコジや仲間たちと出会い、話の奥深くへ入り込んでいくパビリオンを展開。アニメエンディング曲で使われた電気グルーヴ「ポケット カウボーイ」にあわせて、お立ち台で踊れる「ディスコ☆ポケット カウボーイ」など、ユーモアと遊び心満載の展示内容になっている。
さくらももこは2018年に他界し、さくらプロダクションが作品の管理を行うが、広報担当は「面白いことをやりたい我々の思いを、肯定的に受け入れていただき感謝しています」と話した。同展覧会は7月10日まで。コンセプトカフェ、オリジナルグッズの販売、関連ワークショップも実施される。チケット販売等の詳細は公式サイトまで。