杉田雷麟「かかとが血だらけに…」 映画「山歌(サンカ)」撮影エピソード披露 

山本 鋼平 山本 鋼平
(左から)笹谷遼平監督、杉田雷麟、小向なる、渋川清彦=都内
(左から)笹谷遼平監督、杉田雷麟、小向なる、渋川清彦=都内

 俳優の杉田雷麟(19)が15日、都内で主演した映画「山歌(サンカ)」(笹谷遼平監督)の先行試写会イベントに参加し、撮影中の〝大流血事件〟を語った。

 かつて日本の山々に実在した流浪の民・山窩(サンカ)。戸籍を持たず山から山へ旅しながら、穫った川魚、作った竹細工や籠を売りながら山中と山里を往来した。1965年の片田舎を舞台に、杉田が演じる東京から来た中学生の則夫が、既成概念に縛られず自然の一部として暮らすサンカの一家の長・省三と娘ハナに魅せられながら、現実と向き合う物語。

 撮影は2019年7月に群馬県中之条町の山中で行われ、俳優陣では杉田だけがヒルに吸血されたという。「撮影の最後の最後でした。着替え場でヒルが血だらけで死んでいると聞き、かかとを見たら血だらけになっていました。痛みはなく、かゆいくらいでしたけど」と振り返った。また、約2週間の山中での撮影は悪天候に悩まされ、杉田は空模様をメモしていた。「ずっとチェックしていましたが、毎日1回は雨が降っていましたね」と回想。サンカという題材、自然と直面した撮影を経て「魚を生きているところから焼いて食べ、すごく大きな木があり、命、自然の偉大さを改めて思いました。自分は命をいただいて、生きていると実感できました」と表情を引き締めた。

 サンカの娘ハナを演じた小向なる(21)は、山中を疾走する場面が印象に残った。半袖、膝下が素肌、わらじを履いての撮影。「実際に(登山者が)よく歩いているところに生えている草には鋭利な葉はないと思うんですけど、山には触っただけで切れちゃう草があって、血が出ていたりしました。痛かった記憶は全くないのは面白かったですね」と、時折笑顔を見せながら振り返った。役作りのため山を走るトレイルランニングの技術を学び、身体能力を高めた。笹谷遼平監督(36)は「小向さんは、サンカの身体能力を体現する存在でした。オーディションの時から、根性がありそうでしたが、本当によくトレーニングしてくれました。オーディションの時よりも体がガチッとしていて、テストで撮影したら、そこにサンカの娘がいましたね」と、感謝した。

 省三を演じた渋川清彦(47)はヘビの頭を切り落とすシーンを挙げ「その後はうなぎを食べましたしね」と、撮影の裏話を披露して、観客を笑わせた。ドキュメンタリー出身の笹谷監督にとっては初めての長編劇映画。「監督の初期衝動というか、1発目に出られたのは幸せですよ。また面白いテーマのものを撮ってほしい」とエールを送っていた。

 映画は4月22日からテアトル新宿、アップリンク吉祥寺で劇場公開がスタート。その後全国で順次公開される。

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