漫画家で大手前大教授の一本木蛮氏がこのほど、都内のJCLI日本語学校で行われた留学生向けのイベント「FAN×FUN!Japan―まってるよ!留学生―」に出演。7日に88歳で死去した藤子不二雄Aさん(本名・安孫子素雄)との思い出を振り返り「いいエロオヤジだった」としのんだ。
一本木氏は、藤子Aさんとの突然の別れに「『うっそ』って正直思った。このまま100歳くらいまで、ずっといくんだと思っていた」と肩を落とした。日本漫画家協会の総会などで顔を合わせていたといい、会場では長老漫画家たちの会「イージー会(いい爺会)」のメンバーが集まるテーブルがあったと回想した。
イージー会は「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の作者で69歳の秋元治氏が最近、ようやく入会したという大御所の会。以前から「いつかイージー会に入りたい」と熱望していた一本木氏は、藤子Aさんに「もっとお姉さんにならないと入れないですか?」と、大御所漫画家がそろう会に入会を直訴した。
藤子Aさんは「女の子だからすぐに入っていいよ!」と即答。入会基準がゆるすぎるイージー会に、一本木氏は「エロオヤジじゃないか!」とあきれたという。「毒のあるギャグを描いていた人だから、会話にも毒を混ぜてくる。元気をくれた人だった」と悼んだ。
漫画家で大手前大教授の倉田よしみ氏もイベントに出演し「お酒が入っても、入らなくてもおもしろい方だった。銀座で朝まで飲んでいてゴルフに来て、そのまま銀座に帰っていったことも」と、藤子Aさんの豪快エピソードを語る。
日本漫画家協会理事で「ラブひな」「魔法先生ネギま!」などの作品で知られる赤松健氏は「井上陽水さんに『少年時代』の歌詞を提供したのに、曲ができたら1字も使われなかったんだよ…という持ちネタで、A先生はみんなを笑わせていた」と目を細めていた。