ゼレンスキー大統領(44)が今年のグラミー賞でスピーチを行った。
2月末に開始したロシアのプーチン大統領による軍事侵攻に現在も苦しんでいるウクライナのゼレンスキー大統領は、事前録画されたビデオメッセージで登場。
音楽は戦争の「反対」であると主張、ライブイベントで放映された事前収録のビデオでこう話した。
「戦争。音楽に対してそれ以上反したものに何があるでしょう?廃墟と化した都市と殺された人々の沈黙。私たちの子供達は、流れ星ではなく、急降下するロケット弾を描きます」
「400人以上の子供達が負傷し、153人の子供達が亡くなっている。もう彼らが絵を描いている姿を見ることはありません」
「親たちは防空壕の中で朝を迎え、しかし生きていることに喜びを感じています。愛する人たちと再び一緒に居られるかどうかわからない状況です」
「戦争は、誰が生き残り、誰が永遠の沈黙の中に留まるのかを私達に選ばせてくれません」
「私達のミュージシャンは、タキシードの代わりに防護服を着ています。彼らは病院で負傷した人々に向けて歌っています。それを聴くことができない人にもです。それでも音楽は心に伝わります」
字幕付きの映像の中で、ジョン・レジェンドによる歌『フリー』を紹介していたゼレンスキー大統領は視聴者に対し、いつの日か紛争が終わり、自分の国が「自由」になることを「夢見」ながら、同国が直面している「死んだような沈黙」を音楽で「満たして」ほしいと訴えた。
さらに、「私たちは自由を守る。生きるために。愛するために。音を響かせるために」
「私たちはこの地で、爆弾で恐ろしい沈黙をもたらすロシアと戦っています。死んだような沈黙。あなたの音楽でその沈黙を満たして下さい!」