任天堂旧本社をホテルに ファン垂涎!?一般公開なかった山内家の住居を客室に”生け捕り”

任天堂ファン垂涎のホテルが開業する
任天堂ファン垂涎のホテルが開業する

 任天堂の旧本社社屋(京都市下京区)を改装したホテル「丸福樓」が4月1日に開業する。3月下旬に報道陣向け内覧会が行われ、これまで一般公開されていなかった、創業家が住んでいた建物を利用した客室などが公開された。

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 任天堂は1889年に山内房治郎氏が、花札を製造する「山内任天堂」として創業。その後、同社は花札やトランプの販売会社「丸福」を設立した。ホテル名は同社にちなんだ。

 建物は、1930年に完成し倉庫や創業者・山内家の住居として1959年まで使用されていた。現代でも「任天堂創業の地」としてファンから愛され、一目見ようと国内外から観光客が集まっていたが、内部は一般公開されていなかった。

 客室は全18室あり、1室2名利用の場合、宿泊料は1泊10万円~。旧社屋の建築様式や内装を生かした3棟と建築家・安藤忠雄氏が設計監修した新築の1棟にわたる。株式会社Plan・Do・Seeが運営する。

 倉庫として使われていた棟には、昭和初期のエレベーターが保存され当時の面影を強く残す。客室のクローゼット内には「当時の壁紙のボロボロでないところを”生け捕り”にした」(運営担当者)という壁紙が貼られ、細かなキズが歴史を物語っている。

 創業家の住居だった棟の1階は、露天風呂付き和室スイートルームに生まれ変わった。居間として使われていた場所で、欄間や扉の金具などが残されている。2階にある洋式の客室には、当時使われていた暖炉が残る。「昭和初期に建てられた不便さも味わってもらいたい」(同)と室内照明のスイッチを枕元に移さず、元の部屋のレイアウト通りにしているという。

 安藤氏が手がけた新築棟は、コンクリート打ちっ放しのモダンな内装が特徴的。エレベーター内の照明には、旧社屋の壁紙の中に貼られていたという「帳簿」など貴重な紙が再利用され「○○支店」など手書きの文字が透けて見える。

 「(当時の雰囲気を)できる限り残したい、生かしたい」(同)。世界の任天堂が育まれた歴史ある建物の趣を保ちながら、現代のホテルに生まれ変わった。

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