世界的ゲームメーカー・任天堂の旧本社社屋を改装した全18室のホテル「丸福樓(まるふくろう)」が、2022年4月1日に京都市下京区にグランドオープンする。20日から宿泊予約が始まり、1泊10万円~(1室2名利用、税込)の全18室は「完売の日も出てきている」(担当者)ほどの反響だという。
任天堂は、1889年(明治22)に創業者の山内房治郎氏が花札の製造を行う「山内任天堂」として創業。ホテルとして改装される社屋は1933年(昭和8)に完成し、1959年(昭和34)まで本社として使われていた。
任天堂創業家の山内家の居住家として利用された建物を、ホテル・旅館を運営するPlan・Do・See(東京都)が、宿泊施設としてプロデュースする。屋号は「山内任天堂」が設立したトランプ・かるたなどの製造販売会社「丸福株式会社」にちなんだ。
オープンに向け現在改装中で、既存の建物と建築家・安藤忠雄氏(80)が設計、監修した新棟が融合。歴史を感じさせる当時の建築様式や、内装は生かす。担当者は「既存の価値がある建物を大きく形を変えて改修したくはなく、どうすれば現状を保存した状態で有効活用できるのかを検討したところ、建物の形状を生かした立地、商用方法を考えてホテルにするのが一番良い活用方法だと考えた」と説明した。
重厚な「かるた・トランプ製造元 山内任天堂」の看板は残すという。任天堂の旧本社がホテルになる!となると、マリオや「あつ森」などのキャラクターとのコラボも期待されるが…。「特にその予定はありません」(担当者)。ホテルに生まれ変わる任天堂旧社屋は、穏やかな時間を過ごせる大人向けの宿泊施設になりそうだ。