昨年大みそかに行われた総合格闘技イベント「RIZIN.33」に出場し、ユーチュバーで総合格闘家のシバターに1ラウンドKOで敗れた、初代K―1 WORLD GPウェルター級王者・久保優太が4日未明、自身の公式YouTubeチャンネルを更新。シバターから〝ヤラセ〟を依頼されたことを暴露した。
この試合に関しては、シバターから久保に向けて、「1ラウンド目と2ラウンド目の間のインターバル中に、てんちむちゃんがラウンドガールとして出るから、2ラウンド目までは行きたい。だから1ラウンド目は本気でやらずに軽く流して、2ラウンド目からお互い本気でやりましょう」などと提案するLINE画面のスクリーンショットが流出し、ネット上で物議を醸していた。
久保は「大晦日、久保優太の真相をお聴きください。」と題した動画を公開。冒頭で「今回、RIZINの大みそかの八百長疑惑についてこのような騒ぎになってしまって本当に申し訳ございません」と謝罪した。
詳細については今後、さらに説明するとしつつ、「これまで、当たり前ですが、自分としては100%、120%相手を倒すつもりで、17年間プロとして活動してきました。今回、情けない話ではあるんですけど、シバターさんの陽動作戦というか…。SNSというか、直接のお電話だったりとかを通じて、自分自身が100%の気持ちを作れずにリングに上がってしまったのが原因だと思っています」と話した。
その上で、「これにはさまざまな理由があって、言い訳にはなってしまうんですが…」と、シバターから持ちかけられた〝ヤラセ〟を受けた理由を説明。試合の成立を最優先させたこと、台本を蹴ったときに試合が流れると、スポンサーやファンに迷惑が掛かるという「強迫観念にかられた」と明かした。
「これまで全身全霊、自分自身の命を削ってやってきた試合で、これまでたくさん応援して下さっている方々に対して、100%の気持ちを作れなかったという自分自身に、悔しさだったり、申し訳なさだったり、情けなさだったり…。応援してくれてる皆さんに対して申し訳ない気持ちでいっぱいです。申し訳ございませんでした」と再び謝罪した久保。「自分自身、甘さだったり未熟さだったりとかで、シバターさんの陽動作戦に引っかかってしまった。敗れてしまったのもそれが原因だったというのも自分自身、しっかりと受け止めております」と言葉を絞り出した。
久保はさらに「今回に関してはRIZINは関係なく、自分とシバターさんの間であったこと」と、興行元は無関係であることを強調。「本当に、他のファイターだったり、RIZINの神聖なリングを汚してしまったという葛藤もあった」「自分自身、再びリングに立っていいのか、立つ資格があるのか、それを含めてきちんともう一度しっかりと考え直したいと思っています」と深い反省を示し、「八百長とはちょっと違った形にはなりますけど、まずは謝りたいということで、申し訳ございませんでした」と謝罪で締めくくった。
久保は敗戦から一夜明けた1日、ツイッターで「嘘をつく人生は嫌だな。正直者が馬鹿を見るのか。騙されるより騙される方がいいのか。自分は真面目に誠実に紳士に生きたい。色々疲れた。事の経緯とかも全部きちんと話したい(原文ママ)」と投稿し、話題となった。
一方、シバターは2日、自身のYouTubeチャンネルで、ヤラセを持ちかけたとされる噂を否定。流出したというLINEのスクリーンショットについても「まったく身に覚えがありません。あれ、ねつ造なんじゃないですか」としつつ、「ただね、仮に万が一、あれが本物だったとしたら、久保さんって元K―1のチャンピオンでしょ、プロ格闘家でしょ、絶対飲んじゃダメでしょ。そんなの」「もし仮に(提案が)あったとしても、そこはさ、勝たなきゃダメでしょ。負けたら何も言うパワーがねえよ。勝ったヤツが正しいんだから、この世界」などと、久保に苦言も呈していた。