つぎつぎと登場する話題のWeb漫画家たち。商業誌にはない自由な発想とコアでディープな世界を表現する作家たちの中で、ひときわ異彩を放っているのが、2016年に『夜のロボット』という作品でマンガハック大賞を受賞した、匙田さん。どこか懐かしさを感じさせる独特なタッチな絵と共に、王道のストーリー展開とはかけ離れたシュールな展開が特徴の漫画家だ。
今回はそんな匙田さんが発表した作品の中でも、とりわけ異質なコマ割りとめまいがするような物語が特徴の『連星(れんせい)』と、作者のコメントを併せてご紹介。
◆あてのない宇宙で私に出会う『連星』
宇宙空間をさまよい続ける作業船。母船に戻るチャンスをものにするため、さまざまな手立てを試す中で、私が別の私に出会う……?
「むかし編集の人から、商業誌なら斜めにコマを切らない方が良いと言われたのですが、どうせ商業誌じゃないぜ。わははは、と半ばやけくそになって斜めに切りまくったのがこの漫画です。やっぱり読みにくいですね。でも、星のまわりをぐるぐるする感じはわりと良く描けたと思います。わたし、こういう宇宙モノの話はとても好きなんですが、意外と見かけませんね。どうしてでしょう?人気ないから?これは、はずみで描いちゃいましたけど、けっこう難しいのかもしれませんね。じゃあ次も、となると、なかなかできないのです」