「”当て勘”で運営するのは無責任」インディーズアイドル研究所 データで活躍支えたい

 アイドル業界のトレンドやファンの心理などを調査・分析するマーケティング機関「インディーズアイドル研究所」が9月に立ち上げられた。アイドルグループ「アイドリング!!!」元メンバーで現在はボイストレーナーとしてアイドルの歌唱指導を行う遠藤舞氏が所長に就任。ブランドPRプロデューサーで、ポップスバンド「Neontetra」のボーカル・福地セイカ氏とともに、インディーズアイドル活性化への貢献を目指している。

 同研究所はアイドルファンへのWEBアンケートを実施。ファン活動の実態や心理にまつわる情報を収集する。第1回調査では「お金の使い方」をテーマに、1カ月あたりの消費金額、使い道、購買意識が高まる瞬間などについて、約620人から回答を集めた。

 「インディーズアイドル」とはメジャーレーベルからCDデビューしていないアイドルを指し、地下アイドルとも呼ばれる。遠藤氏は「何がオタクに受けて、どうして人気が出たみたいなものが、かなりうやむやになってるような気がしていて」と、同業界の情報収集不足を指摘する。

 福地氏も「アイドルという一つの商品を売ることを考えると、普通の企業だったらマーケティングをするじゃないですか。でも、この業界はそれがないままやっているのがすごく不思議」と続けた。「PDCA(継続的な品質改善の手法)をインディーズアイドルでも回すことによって、もっと表に出てこられる人も増えるのではないか。本人たちも納得感を得てやってほしい」とデータの活用を期待している。

 遠藤氏は若く経験が浅いプロデューサーが多いと明かし「女の子(アイドル)の人生の一部を預かっているわけで、”当て勘”で運営していくというのも無責任な話だと思う」と不安を抱く。その一方、アイドルの低収入問題など業界の現状改善を志す若手への期待もある。「アイドルのお金の問題も健康の問題も、闇に隠れている”汚い部分”がない業界を目指す人たちが、大きくなっていくことを業界全体の今後のために願っている」と話し、「そういう人たちにデータを大いに使っていただいて、良くなっていけたらいいと思います」と展望を語った。

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