俳優のジョニー・デップ(58)は、著名人らの発言や行動を糾弾し、出演番組や作品を中止させたり、不買運動を起こす“キャンセル・カルチャー”から逃れられるものは誰もいないと警告している。昨年自身を「DV夫」と表現したザ・サン紙に対する名誉棄損訴訟で敗訴したことを受けて、「ファンタスティック・ビースト」シリーズから降板したデップ。インターネット上で「直ちに判断を下す」風潮が「収拾がつかない」状態になっていることから、問題発言をした人々が余りに容易く全てを失ってしまうようになったと指摘する。
ジョニーは、スペインで開催中のサン・セバスチャン映画祭で記者団に語った。
「このキャンセル・カルチャーは、どれぐらい続くのかは分からないけど歴史上の出来事となるだろうね。事実上、汚染された空気でしかないものに基づいて直ちに判断を下すんだ」
「現在かなり収集がつかない状態になっていて、誰も逃れられないと約束するよ。誰1人もね。誰もそこから出ることは出来ないんだ。誰も安全ではない」「一言なにかを言うだけだ。そして地面がなくなって、カーペットは引っ張られる。これが起こったのは僕だけではなく、多くの人が経験している」
「このようなことは女性にも男性にも起こっているし、子供達も様々な不快な思いをしている。悲しいことに、ある時点でそれが普通と考えるようになるんだ。もしくは、それは『彼ら』のことだとね。でも、そうじゃないんだよ」
またジョニーは、自身の名誉棄損訴訟を引き合いに出し、不正行為に立ち向かうよう呼びかけており、「判決が芸術的展開を遂げても構わない。不正行為があれば、それが自分に対してでも愛する人や信じている人に対してでも、座らずに立ち上がって欲しい。彼らが君を必要としているからだ」と続けた。
ジョニーの元妻で女優のアンバー・ハードは2016年の破局後、ジョニーによるDV被害を訴えていた。