ジョン・レノンは、1965年にMBE(大英帝国勲章)を受け取った自分は「偽善者」だった考えていたそうだ。ザ・ビートルズのメンバー、ポール・マッカートニー、リンゴ・スター、ジョージ・ハリスンと並んで同勲位を授与されたジョンだが、4年後の1969年に返上している。
1969年から1970年にかけて行われたインタビューで、勲章を受け取った理由についてジョンは次のように語っている。「僕は偽善者だった。人を殺して勲章をもらえるなら、歌ってイギリスの経済を良好に保つことで勲章をもらってもいいだろうと考えようとしていたんだ」
そして、当時妻オノ・ヨーコと共に、モントリオールとアムステルダムで平和活動パフォーマンス「ベッド・イン」を行っていたばかりのジョンは、受勲を取り消した理由については、「イギリスがビアフラ戦争やナイジェリアに関与していることや、ベトナムでアメリカを道義的、そして口頭で支持したことへの抗議だった」と続けた。
ジョンはまた、MBE返還を知らせるために3通の手紙を書かなければならなかったそうだ。「女王、ハロルド・ウィルソン(当時の首相)、それから首相府の何か宛にそれぞれ一通」
カナダ人ジャーナリスト、ケン・ゼイリグが行った一連のインタビューの中で、このような発言をしているジョン、同インタビューが収録されたテープが今月オークションに出品される。
これまでに放送されたのは、5分のみという同インタビューのテープは、1990年に他界したゼイリグの遺族により最近発見されたそうで、28日、マージーサイドで開催されるオークションに出品され落札予想最高額3万ポンド(約450万円)となっている。
オメガオークションズのポール・フェアウェザー氏は、この録音について「ジョンのウィットに富んだ洞察と発言は、非常に彼らしく、ビートルズファンにはたまらないものばかりです。これは極めて重要な発見です」と語っている。