芥川賞作家の平野啓一郎氏が28日、ツイッターに新規投稿し、コロナ禍の中、東京五輪でも国別メダル獲得ランキングが報じられていることについて疑問を呈した。
平野氏は「五輪憲章違反だとも指摘されているが、開催国が思いきり有利な状況下での大会で、コロナで非常に困難な状況で参加している国も多々あるのに、せめて日本の『メダルラッシュ』などとはしゃがないとか、国別の順位の表示はしないとか、そういう最低限の慎みさえないのか。恥」と私見をつづった。
さらに、平野氏は連続投稿。「僕は五輪は中止すべきだと思ってるが、SNSでフォローしている新聞やニュースが五輪報道だらけで、イヤでも目に入る」と指摘。「この状況で強行した政府や東京都、IOCやJOCの問題もさることながら、感染を拡大させるアナウンス効果に全力で荷担しているスポンサーメディアの責任は、絶対に問うべき」と訴えた。
五輪憲章57条では「IOCとOCOG(組織委員会)は国ごとの世界ランキングを作成してはならない」と定められている。本来、五輪はスポーツを通した平和の祭典という理念があり、国ごとのメダル獲得ランキングは国家間の対抗戦とみられることから制限されている。